離婚を弁護士に依頼したときの費用は、協議離婚で約40万〜70万円、調停で約45万〜80万円、裁判まで進むと約70万〜110万円が総額の目安です。
内訳の中心は着手金と報酬金で、財産分与や慰謝料の獲得額に応じて報酬金が上乗せされる仕組みです。
まとまったお金が用意できなくても、法テラスの立替制度や分割払いを使えば依頼はできます。本記事の数値は、日弁連・裁判所・法テラスが公表する一次資料に基づいています。
本記事の費用・制度は2026年7月時点の情報です。弁護士報酬は2004年4月に自由化されており、実際の金額は事務所ごとに異なります。依頼前に必ず見積りで確認してください。
【結論】離婚の弁護士費用の相場はいくら?

離婚の弁護士費用は、どの手続き段階まで進むかで総額が大きく変わります。争いが少ないほど安く、調停・裁判へ進むほど高くなります。
まずは全体像です。下の表は、日弁連アンケートの最多回答水準(後述)に消費税と実費を加えて機械的に試算した目安です。
| 依頼する範囲 | 総額の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 公正証書の作成サポートのみ | 約5万〜15万円 | 争いがなく、取り決め内容が固まっている場合 |
| 協議離婚(交渉を依頼) | 約40万〜70万円 | 着手金+報酬金が中心 |
| 離婚調停 | 約45万〜80万円 | 裁判所の実費は数千円程度 |
| 離婚裁判(調停からの累計) | 約70万〜110万円 | 追加着手金+印紙1万3,000円〜 |
この金額は「離婚の成立」だけを頼んだ場合の水準です。財産分与・慰謝料などの獲得額が大きいと、報酬金がさらに加算されます。
なお、テレビやネットで見かける「弁護士費用の相場は数十万円」という言い方は、この基本部分だけを指していることが多い点に注意してください。実際の請求書には加算分と実費が載ります。
知り合いが離婚で弁護士に依頼したところ総額130万円だったとのこと。もめずに済めばもう少し安くなるかもしれないが、争いが長引くとこのくらいの金額になることもあるようだ。
※口コミより・2023-06(要旨)
実際の金額分布|日弁連アンケートがほぼ唯一の全国データ
「相場」の根拠として使える公的データは、日弁連が2008年に全国の弁護士へ行った市民のための弁護士報酬アンケートがほぼ唯一です。
夫婦間の暴力を理由に、慰謝料200万円と親権・養育費を求めて離婚調停を申し立てる設例では、回答は次のとおりでした。

| 項目 | 回答の分布(上位2つ) |
|---|---|
| 離婚調停の着手金 | 20万円…45%/30万円…42% |
| 離婚調停の報酬金 | 30万円…40%/20万円…30% |
| 調停不成立→訴訟の追加着手金 | 10万円…43%/0円…26% |
| 訴訟の報酬金 | 30万円…36%/20万円…20% |
つまり着手金20〜30万円+報酬金20〜30万円(いずれも税別)が、実務の中心的な水準です。ここに経済的利益への加算と実費が乗って、前掲の総額になります。
離婚の弁護士費用の相談に対し、話し合いあるいは離婚調停で済んだら良心的な弁護士なら30万円程度だろうとの回答。どの段階で解決するかによって費用の水準が大きく変わることがわかる。
※口コミより・2023-05(要旨)
状況別の費用感|あなたのケースはどのレンジか
同じ離婚でも、置かれた状況によって費用のかかり方は変わります。代表的な4つの状況で、費用が膨らむポイントを整理しました。
→ 表は横にスクロールできます
| 状況 | 総額の目安 | 費用が動くポイント |
|---|---|---|
| 専業主婦(主夫)で別居中 | 約45万〜80万円 | 婚姻費用の調停を先行させるのが定石。法テラスの対象になりやすい |
| 共働き・子なし | 約40万〜70万円 | 争点が財産分与に絞られやすく、協議段階で決着すれば安い |
| 熟年離婚(財産が多い) | 約70万〜150万円超 | 退職金・不動産・年金分割が絡み、経済的利益への加算が大きい |
| DV・モラハラがある | 約50万〜110万円 | 交渉を全面的に任せる必要があり、調停・裁判まで進みやすい |
とくに熟年離婚は要注意です。分与対象の財産が3,000万円あれば、報酬金の加算だけで100万円を超えることもあります。金額の大きい離婚ほど、複数の見積り比較が効きます。
DVからの避難を伴う場合は、費用より安全の確保が先です。配偶者暴力相談支援センターなどの公的窓口と並行して、法テラスの利用を最初から前提に相談を組み立ててください。
費用が上下する3つの要因
同じ「離婚」でも、総額は数十万円単位で変わります。差がつく要因は次の3つです。
- 手続き段階|協議→調停→裁判と進むたびに追加着手金がかかる
- 争点の数|親権・養育費・財産分与・慰謝料と争点が増えるほど高くなる
- 経済的利益の額|獲得した金額の10〜16%程度が報酬金に加算される
逆にいえば、争点を絞って早い段階で解決するほど、費用は安く済みます。この構造は後述の「費用を抑える方法」に直結します。
結論の再確認|相場は協議で約40万〜70万円、調停で約45万〜80万円、裁判まで進むと約70万〜110万円。
獲得額が大きい離婚ほど報酬金が増えるため、総額は「相場+獲得額×10〜16%」で見積もるのが実態に近い計算です。
弁護士費用の内訳|5つの項目の意味と支払うタイミング

見積書を正しく読むには、費用の内訳を知るのが近道です。日弁連の公式解説では、弁護士費用は次の5つに区分されています。
→ 表は横にスクロールできます
| 項目 | 意味 | 払う時期 | 水準の目安 |
|---|---|---|---|
| 相談料 | 法律相談の対価 | 相談時 | 30分5,000円前後(初回無料も多い) |
| 着手金 | 依頼時に払う費用。結果に関係なく返還されない | 依頼時 | 20万〜30万円が中心 |
| 報酬金 | 成功の程度に応じて払う費用 | 解決時 | 20万〜30万円+獲得額の10〜16% |
| 日当 | 出張・待機への対価 | 発生の都度 | 1日3万〜5万円程度 |
| 実費 | 印紙代・切手代・交通費など | 発生の都度 | 調停で数千円〜 |
相談料|初回無料の事務所が増えている
相談料は、依頼する前の法律相談にかかる費用です。日弁連アンケートでは1時間1万円…56%・5,000円…36%が中心でした。
現在は離婚分野の初回相談を無料にする事務所がかなり増えています。無料相談だけで方針が固まることもあり、使わない手はありません。
有料でも、離婚分野の取扱いが多い弁護士の1時間は価値があります。見積りの精度は情報の量で決まるため、無料か有料かより「何を持って行くか」が結果を分けます。
着手金|結果がどうなっても返ってこないお金
着手金は依頼した時点で払う費用です。希望どおりの結果にならなくても返還されません。ここが読者の想定と最もずれやすいポイントです。
離婚事件では20万〜30万円が中心的な水準です。「着手金無料」をうたうプランもありますが、その分報酬金が高めに設定されていることが多く、総額での比較が欠かせません。
自分が調べた範囲では、離婚の着手金は35〜45万円ぐらいだった。そんなに安いものかという実感のレス。事務所によって着手金の水準に大きな開きがあるのが実情のようだ。
※Web掲示板より・2020-11(要旨)
都市部では着手金35万〜45万円という水準の事務所も珍しくありません。地域差・事務所差が大きいからこそ、複数の見積りを取る意味があります。
報酬金|「経済的利益」で決まる後払いの費用

報酬金は、事件が終わった段階で成功の程度に応じて払うお金です。離婚では「離婚成立の基本報酬」+「経済的利益への加算」の二階建てが一般的です。
経済的利益とは、財産分与・慰謝料・養育費など依頼によって実際に得られた金額のことです。多くの事務所が、2004年まで使われていた(旧)日弁連報酬基準に近い率を今も目安にしています。
| 経済的利益の額 | 着手金の率 | 報酬金の率 |
|---|---|---|
| 300万円以下 | 8% | 16% |
| 300万円超〜3,000万円以下 | 5%+9万円 | 10%+18万円 |
| 3,000万円超〜3億円以下 | 3%+69万円 | 6%+138万円 |
たとえば財産分与300万円を獲得すると、この基準では報酬金に48万円(300万円×16%)が加算されます。獲得額が大きい離婚ほど費用も増える構造です。
見積書の読み方|「税込か税別か」で数万円変わる
見積書や料金表の金額には、消費税が別建てのことが多くあります。着手金30万円なら税込33万円です。
また、「〜円から」という下限表示にも注意が必要です。争点が増えたときにいくらになるのか、上振れの条件まで聞いて初めて比較ができます。
弁護士費用の内訳は、着手金が弁護士によって20〜30万円、成功報酬が獲得した金額もしくは守った金額の10〜16%。弁護士によっては別途、完了報酬がかかる場合もあるという情報共有のレス。
※Web掲示板より・2020-11(要旨)
日当・実費・手数料|見落としやすい「その他」の費用
日当は、弁護士が遠方の裁判所へ出張するときなどに発生します。1日3万〜5万円程度が目安で、近くの事務所に頼めば発生自体を抑えられます。
実費は印紙代・切手代・交通費・記録のコピー代などの実支出です。さらに、公正証書の作成のような争いのない事務手続は「手数料」として別建てになります。

支払いの山は依頼時(着手金)と解決時(報酬金)の2回です。特に着手金は依頼のタイミングで現金が必要になるため、資金計画はこの2つの山を軸に立てます。
- 相談時|相談料(初回無料なら0円)。ここではまだ契約しない
- 依頼時|着手金+実費の予納。最初の大きな出費はここ
- 進行中|追加の実費・日当。調停が長引くと少しずつ積み上がる
- 解決時|報酬金。獲得したお金から払えるケースも多い
報酬金は相手から入った慰謝料や財産分与から精算できることが多く、実際に工面が問題になるのは着手金です。だからこそ、次章の「払えないとき」の制度が重要になります。
手続き別の費用|協議・調停・裁判でこう変わる

離婚は協議→調停→裁判の順に進みます。厚生労働省の統計では協議離婚が88.3%(令和2年)を占め、調停離婚は約8.3%、判決離婚は約0.9%です。
離婚件数は2025年の概数で17万9,068組(離婚率1.50)。年間18万組近い夫婦が、まさに同じ費用の悩みを通ってきています。
つまり大半は協議で決着します。ただし弁護士に依頼するケースは調停・裁判に進む割合が高く、段階が上がるたびに追加着手金がかかる点を押さえておく必要があります。
協議離婚|交渉の依頼と公正証書の費用
協議段階で弁護士に頼めるのは、相手との交渉の代理と合意書・公正証書の作成です。交渉から頼むと着手金+報酬金、書面作成だけなら手数料型で数万円〜十数万円が目安です。
養育費や慰謝料の分割払いを約束させるなら、強制執行認諾文言付きの公正証書にしておくのが定石です。作成には公証役場の手数料がかかります。

| 目的価額(取り決める金額) | 公証人の手数料 |
|---|---|
| 50万円以下 | 3,000円 |
| 50万円超〜100万円以下 | 5,000円 |
| 100万円超〜200万円以下 | 7,000円 |
| 200万円超〜500万円以下 | 1万3,000円 |
| 500万円超〜1,000万円以下 | 2万円 |
| 1,000万円超〜3,000万円以下 | 2万6,000円 |
手数料は公証人手数料令で全国一律に決まっており、令和7年10月1日に制定以来はじめて改定されました。上の表は改定後の金額です。
離婚の公正証書では、慰謝料・財産分与と養育費を別々に計算して合算します。養育費は5年分を上限に目的価額を数えるルールです。
たとえば財産分与200万円+養育費月4万円(5年分240万円)なら、7,000円+1万3,000円=2万円が公証人手数料の本体です。2025年10月からは電子公正証書やウェブ会議での作成にも対応し、使い勝手が上がっています。
離婚調停|裁判所の実費は収入印紙1,200円から
調停を弁護士に頼むと、着手金20〜30万円+報酬金が中心的な水準です。交渉から引き続き依頼する場合は、着手金を半額程度に減額する事務所も多くあります。
裁判所に納める実費は、夫婦関係調整調停(離婚)の場合で収入印紙1,200円+連絡用の郵便切手だけです。実費そのものは軽く、費用の本体はあくまで弁護士報酬です。
調停は1〜2か月に1回のペースで期日が入り、決着まで数か月かかることも珍しくありません。期日が増えても着手金は原則変わりませんが、期日ごとの日当を設定する事務所もあるため、契約前に確認しておくと安心です。
養育費・婚姻費用の金額は、裁判所が公表する算定表(令和元年改定版)を基準に決まります。調停前に自分のケースの帯を確認しておくと、報酬金の見込みも立てやすくなります。
別居中の生活費が必要な場合は、婚姻費用分担の調停を離婚調停と同時に申し立てるのが実務の定石です。婚姻費用が毎月入る状態を作れば、弁護士費用の支払い原資にもなります。
弁護士事務所によっては離婚調停の依頼で着手金33万円、裁判だと44万円で、調停から引き続き裁判になる場合は差額のみという料金体系のところもある。事務所選びで費用負担がかなり変わる。
※口コミより・2022-01(要旨)
離婚裁判|印紙1万3,000円+請求ごとの加算
裁判まで進むと、調停からの追加着手金(10万円前後)または訴訟からの着手金30万円前後がかかります。報酬金も訴訟水準(30万円前後+経済的利益加算)になります。

裁判所の手数料は、離婚のような金銭に換算できない請求では訴額を160万円とみなすルールがあり、印紙代は1万3,000円です。
財産分与や養育費を一緒に申し立てる(附帯処分)と1件につき各1,200円が加算されます。離婚+財産分与+子ども2人の養育費なら1万6,600円という計算です。
慰謝料を併せて請求する場合は、慰謝料の額から計算した手数料と比べて多いほうの金額を納めます。いずれにせよ実費は数万円の世界で、総額を左右するのは弁護士報酬だと分かります。
判決に不服があり控訴・上告となれば、さらに追加の着手金と印紙代がかかります。裁判まで進む選択をする前に、ここまでの費用の積み上がりを必ず試算してもらいましょう。
年金分割・その他セットで動く手続きの費用
離婚とセットで必要になる手続きにも、それぞれ費用感があります。代表格が年金分割です。
年金分割の手続き自体は年金事務所で行い、手数料はかかりません。合意がまとまらない場合に家庭裁判所へ按分割合を決める審判・調停を申し立てると、印紙代1,200円がかかります。
弁護士に依頼している場合、年金分割は離婚調停の中で一緒に扱ってもらえるのが通常で、単体で大きな追加費用は発生しにくい項目です。ただし報酬の扱いは事務所ごとに異なるため、見積り時に確認してください。
なお、養育費の水準は算定表で当たりを付けられます。たとえば義務者の年収500万円・権利者100万円・子1人(0〜14歳)なら、算定表の帯は月4万〜6万円です(裁判所・算定表 表1)。報酬金の見込み計算にも使えます。
総額シミュレーション|3つのモデルケース
ここまでの数値を組み合わせて、実際の総額を試算します。いずれもアンケート最多水準+消費税で機械的に計算した目安です。
ケース1|協議離婚の交渉+公正証書(財産分与300万円)
| 法律相談(初回無料の事務所を利用) | 0円 |
|---|---|
| 着手金(交渉・アンケート最多水準) | 22万円 |
| 報酬金(離婚成立分) | 22万円 |
| 報酬金(財産分与300万円×16%) | 48万円 |
| 公正証書作成サポート・実費等 | 約5万円〜10万円 |
| 合計の目安 | 約97万円〜102万円 |
財産分与などの経済的利益が大きいほど報酬金が増える構造です。
ケース2|離婚調停(親権+養育費月4万円・金銭給付は養育費のみ)
| 法律相談(30分5,500円×2回) | 1万1,000円 |
|---|---|
| 着手金(調停・アンケート最多水準) | 22万円 |
| 裁判所実費(収入印紙1,200円+切手代等) | 約3,000円〜5,000円 |
| 報酬金(離婚成立分・アンケート最多水準) | 33万円 |
| 報酬金(養育費2年分96万円×10%の例) | 9万6,000円 |
| 合計の目安 | 約66万円 |
養育費の経済的利益は2年〜5年分で数える事務所が多く、割合も事務所ごとに異なります。期日ごとの日当を設定する事務所ではさらに数万円加わります。
ケース3|調停不成立→離婚訴訟(慰謝料200万円を獲得)
| 調停までの費用(ケース2の着手金等) | 約23万円 |
|---|---|
| 追加着手金(訴訟移行・アンケート最多水準) | 11万円 |
| 裁判所実費(印紙1万3,000円+附帯処分・切手代) | 約2万円 |
| 報酬金(離婚成立分) | 33万円 |
| 報酬金(慰謝料200万円×16%) | 32万円 |
| 合計の目安 | 約101万円 |
調停から訴訟へ進むと着手金が二段階でかかるため、総額は跳ね上がります。期日が長引けば日当でさらに上振れします。
自分の場合は着手金33万円に加え、証拠を揃えたりする経費が10万円以上、成功報酬が59万円だった。合計すると100万円前後になり、離婚で弁護士に頼むと決して安くは済まなかった。
※口コミより・2023-06(要旨)
試算の読み方|「離婚成立だけ」なら50万〜70万円前後、財産分与・慰謝料が大きいと100万円超が現実的なラインです。
見積書をもらったら、このシミュレーションと同じ形に分解して比べると、高いか安いかを判断できます。
離婚の弁護士費用は誰が払う?相手に請求できる?

結論はシンプルです。自分が依頼した弁護士の費用は、自分が払うのが原則です。離婚の原因がどちらにあっても、この原則は変わりません。
「相手のせいで離婚するのに、なぜ自分が払うのか」と感じる方は多いはずです。ただし、例外的に一部を相手へ転嫁できる場面があります。
原則|裁判に勝っても弁護士費用は「訴訟費用」に入らない
裁判で勝つと「訴訟費用は相手の負担」という判決が出ますが、ここでいう訴訟費用は印紙代や切手代などの実費のことです。
弁護士費用はこの訴訟費用に含まれません。勝訴しても、着手金や報酬金は自分で負担するのが日本の制度の建て付けです。
協議や調停では、解決金の名目で実質的に費用分を上乗せした合意をすることもあります。ただしそれは当事者の合意があって初めて成り立つもので、権利として請求できるわけではありません。
例外|不貞慰謝料などの裁判では「認容額の1割程度」が目安
不倫(不貞行為)やDVのような不法行為にもとづく損害賠償請求では、判例上、弁護士費用の一部を損害として相手に請求できます。
最高裁は昭和44年2月27日判決の法理として、事案の難易や認容額などを考慮した相当な範囲の弁護士費用は賠償の対象になるという考え方を示しています。実務では認容額の1割程度が目安とされます。
たとえば慰謝料200万円が認められた場合、プラス20万円前後が「弁護士費用相当損害」として上乗せされるイメージです。かかった費用の全額ではない点に注意してください。
共有財産から払うと財産分与で精算される
別居前の預貯金など夫婦の共有財産から着手金を払うと、その支出は財産分与の計算で考慮されるのが実務です。
弁護士費用は本来自分の固有財産(特有財産)から払うべきお金とされるためです。手元資金の出どころまで含めて、最初の相談で確認しておくと安全です。
「慰謝料と相殺すればよい」という発想にも落とし穴があります。慰謝料の支払いと弁護士費用の支払いは別々の契約であり、相手からの入金が遅れても、事務所への支払期日は待ってもらえないのが原則です。
弁護士費用が払えないときの対処法|法テラスの立替制度

手元にまとまったお金がなくても、離婚を弁護士に頼む方法はあります。柱になるのが、国が設立した法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助=弁護士費用の立替制度です。
収入などの条件を満たせば、無料法律相談(同一問題につき3回まで)と着手金・実費の立替えが受けられます。立替金は月5,000円〜1万円程度の無利息分割で返していきます(法テラス公式)。
利用できる人の条件|収入と資産の基準
利用には収入基準と資産基準の両方を満たす必要があります。基準は家族の人数で変わります。

→ 表は横にスクロールできます
| 家族の人数 | 手取月収の基準 | (東京など大都市) | 資産の基準 |
|---|---|---|---|
| 単身者 | 18万2,000円以下 | 20万200円以下 | 180万円以下 |
| 2人家族 | 25万1,000円以下 | 27万6,100円以下 | 250万円以下 |
| 3人家族 | 27万2,000円以下 | 29万9,200円以下 | 270万円以下 |
| 4人家族 | 29万9,000円以下 | 32万8,900円以下 | 300万円以下 |
家賃や住宅ローンを払っている場合は、一定額(単身者で4万1,000円など)を収入基準に上乗せできます。基準ギリギリでも諦めず、まず法テラスに確認する価値があります。
注意したいのは、別居中なら配偶者の収入は合算されない運用が基本という点です。専業主婦(主夫)で自分の収入がほぼない方こそ、この制度の本来の対象です。
細かい基準や必要書類は民事法律扶助のしおりに整理されています。自分で判断がつかない場合も、法テラスの窓口で確認すれば足ります。
立て替えてもらえる金額|離婚調停なら着手金8万8,000円〜
立替額は事件の種類ごとに基準が決まっています。離婚等請求事件の費用の目安は次のとおりです。

| 手続き | 着手金の立替額 | 実費 |
|---|---|---|
| 離婚(示談交渉) | 6万6,000円〜11万円 | 2万円 |
| 離婚調停 | 8万8,000円〜13万2,000円 | 2万円 |
| 離婚訴訟(調停から継続) | 16万5,000円 | 3万5,000円 |
| 離婚訴訟(訴訟から受任) | 23万1,000円 | 3万5,000円 |
報酬金は金銭を得たときは獲得額の10%+税(養育費・婚姻費用は2年分が上限)、金銭のない離婚では6万6,000円〜13万2,000円の範囲で決まります。
金銭請求のない離婚訴訟をフルに頼んだ例では合計35万4,000円(着手金23万1,000円+実費3万5,000円+報酬金8万8,000円=合計35万4,000円)とされており、一般的な水準の半額前後に収まります。
法テラスと一般依頼の費用はどれくらい違う?
→ 表は横にスクロールできます
| 項目 | 法テラス利用 | 一般的な依頼 |
|---|---|---|
| 離婚調停の着手金 | 8万8,000円〜13万2,000円 | 22万〜33万円(税込) |
| 報酬金(金銭獲得時) | 獲得額の10%+税 | 基本20万〜30万円+獲得額の10〜16% |
| 支払い方法 | 月5,000円〜1万円の分割(無利息) | 原則一括(分割は交渉次第) |
| 利用条件 | 収入・資産の基準あり | なし |
費用水準・支払い方法の両面で、基準に該当するなら法テラスを使わない理由はほぼありません。まず自分が基準内かどうかを確認するのが先決です。
法テラスを通じて離婚を弁護士に相談したところ、費用は着手金が20〜25万円で、法テラスを通すので月5000円〜8000円の分割払いになると説明された。まとまったお金がなくても依頼しやすい仕組みだった。
※口コミより・2012-06(要旨)
離婚事件で、調停は実費2万円+着手金11万円、調停不調後の訴訟は実費3.5万円+着手金16.5万円、訴訟からは実費3.5万円+着手金23.1万円で別途報酬金。この水準で十分だという趣旨のレス。
※Web掲示板より・2020-11(要旨)
立替制度の3つの注意点
- 負けても返す|立替金は敗訴や不成立でも全額返済が必要です(民事法律扶助のしおりに明記)
- 弁護士を自由に選びにくい|法テラス経由では担当弁護士を指名できない場合があります(持ち込み方式なら選べます)
- 審査に時間がかかる|援助開始まで通常2週間程度かかるため、急ぎの案件は早めに動く必要があります
なお、生活保護を受給している方は返済の猶予や免除が認められる場合があります。該当する方は申込時に必ず伝えてください。
弁護士を自分で選びたい場合は、先に事務所へ相談してから法テラスの利用を申し込む「持ち込み方式」が使えます。法テラス契約のある弁護士なら、費用水準は法テラス基準のまま、担当は自分で選べます。
この制度は離婚そのものだけでなく、離婚後の養育費請求や婚姻費用の調停にも使えます。離婚時に取り決めができなかった場合のやり直しでも、基準を満たせば同じ立替えの対象です。
法テラス以外の手段|分割払い・後払い・着手金無料
収入基準を超えていて法テラスを使えない場合も、選択肢はあります。
- 分割払い|着手金を数回に分けて払える事務所は珍しくありません。契約前の交渉で応じてもらえることもあります
- 後払い・着手金無料プラン|報酬金に重心を置いた料金体系。総額はやや高くなる傾向があるため、必ず総額で比較します
- 婚姻費用の確保を先行|別居中の生活費(婚姻費用)を先に請求して、毎月の資金繰りを安定させてから本体の手続きに入る方法もあります
また、単独型の弁護士保険(権利保護保険)のなかには離婚を対象にする商品もあります。ただし自動車保険などに付く弁護士費用特約は、離婚のような親族間の紛争を対象外とするのが一般的です。加入中の保険の約款を確認してみてください。
離婚の弁護士費用を安く抑える6つの方法

費用の仕組みがわかると、抑えどころも見えてきます。効果が大きい順に、実践的な方法を6つに整理しました。
①無料相談で複数の見積りを取る
報酬が自由化されている以上、同じ事件でも見積額は事務所ごとに違います。初回無料相談を2〜3か所で受け、見積りを並べて比べるのが最も確実です。
相見積りは失礼ではありません。各弁護士会の法律相談センターや自治体の無料相談も入口として使えます。比較したうえで依頼する人のほうが、結果への満足度も高い傾向があります。
比べるポイントは総額だけではありません。経済的利益の数え方(養育費を何年分で計算するか等)と追加費用の条件まで揃えて比較します。
たとえば「着手金22万円・報酬金33万円+獲得額の11%」のA事務所と、「着手金0円・報酬金44万円+獲得額の17.6%」のB事務所では、獲得額300万円なら総額はA約88万円・B約97万円です。初期費用の安さと総額の安さは別物だと分かります。
無料相談で必ず聞くべき5つの質問
見積り比較の精度を上げるために、各事務所で同じ質問をぶつけるのがコツです。
- 着手金・報酬金・実費・日当を含めた総額の見込みはいくらか
- 報酬金の計算で経済的利益に何を含めるか(養育費は何年分か)
- 調停・裁判に進んだ場合の追加着手金はいくらか
- 支払いのタイミングはいつか。分割払いは可能か
- 自分のケースの獲得見込み額はどの程度か(費用倒れの確認)
5つの答えを表にして並べれば、どの事務所が総額で有利か一目で分かります。答えを濁す事務所は、その時点で比較から外して構いません。
②依頼する範囲を絞る
フルの代理だけが依頼の形ではありません。書面作成だけ・調停への同席だけといった部分的なサポートなら、費用は大きく下がります。
たとえば争いがほぼない離婚なら、合意書のチェックと公正証書化のサポートだけを頼む形で、数万円〜十数万円に収めることも可能です。
③〜⑥タイミングと制度の使い方
- ③早い段階で相談する|こじれて調停・裁判まで進むほど追加着手金がかかります。協議段階での解決が最大の節約です
- ④近くの事務所を選ぶ|遠方の裁判所への出張は日当(1日3万〜5万円)と交通費を生みます
- ⑤法テラスの基準に該当しないか確認する|該当すれば費用水準そのものが下がります
- ⑥算定表・公的情報で自分でも武装する|養育費は裁判所の算定表で当たりを付けられます。論点が減れば弁護士の稼働も減ります
組み合わせの例を挙げます。初回無料相談を3か所受け、法テラス基準に該当すると分かれば持ち込み方式で依頼する流れなら、相談料0円+法テラス水準の費用で最後まで進められます。
基準に該当しない場合も、協議段階で依頼して早期決着を狙いつつ書面チェック中心の絞った依頼にすれば、フル依頼の半分以下に抑えることは十分可能です。
最重要は①と③です。複数見積りで単価を抑え、早期解決で段階の追加費用を防ぐ。この2つで総額は数十万円単位で変わります。
一方で、安さだけで選ぶのは危険です。獲得額が数十万円減れば、費用の節約分は簡単に吹き飛びます。
「費用倒れ」に注意|依頼して損をしないための見極め方

費用倒れとは、獲得できた金額より弁護士費用の総額が上回ってしまう状態のことです。離婚事件で最も避けたい失敗がこれです。
弁護士に依頼する価値がないという話ではありません。依頼する前に損益分岐を試算しておけば防げる失敗だ、という点が本質です。
費用倒れになりやすい3つのパターン
- 請求できる金額が小さい|獲得見込みが数十万円なのに、着手金+報酬金で50万円超を払うケース
- 相手に支払い能力がない|判決や調停調書を取っても、無資力の相手からは現実に回収できません
- 財産分与の対象が少ないのに裁判まで進む|追加着手金と実費が積み上がり、得られる額を超えていきます
とくに「養育費の増額だけ」「小さな慰謝料だけ」の単発依頼は要注意です。経済的利益の見込み額と費用総額を、契約前に紙の上で比べることが唯一の予防策です。
簡単な試算例を挙げます。養育費を月1万円増額できた場合、2年分で数えると経済的利益は24万円です。着手金と報酬金の合計が30万円を超えるなら、その依頼は単体では赤字になります。
このような場合は、依頼範囲を書面チェックだけに絞る、調停は本人で対応して背後で助言だけ受ける、といったハイブリッドな頼み方が有効です。
契約前チェックリスト|見積り・委任契約書で確認すること
費用倒れとトラブルの多くは、委任契約書の読み込み不足から生まれます。契約前に次の項目を指差し確認してください。
委任契約前のチェックリスト(タップで確認)
まともな事務所ほど、こうした確認を歓迎します。質問を嫌がる事務所はその時点で候補から外してよい、というのが実務的な判断基準です。
逆に「費用をかける価値」が大きい典型ケース
費用倒れの裏返しとして、弁護士費用が「投資」として機能しやすいケースも整理しておきます。
- 財産分与の対象が大きい・複雑|退職金・株式・持ち家・年金分割が絡む離婚は、分与額が数十万円単位で変わることが多く、報酬を払っても手取りが増えやすい典型です
- 相手が話し合いに応じない・威圧的|交渉窓口を弁護士に一本化するだけで、精神的な負担と時間のロスが激減します
- 親権・養育費で対立している|2026年の民法改正で親権・養育費のルールが変わったため、最新実務を踏まえた主張の組み立てが結果を左右します
- 相手に弁護士が付いた|知識と交渉力の非対称は、そのまま合意条件の差になります
要するに、動く金額が大きいか、交渉の非対称が大きいときほど費用対効果は高いのです。費用倒れの試算とセットで判断してください。
実際に依頼した人の費用感
掲示板やQ&Aサイトには、実際に払った金額の投稿が多く見られます。参考になるものを出典付きで引用します(表現は整えています)。
弁護士費用は離婚だけでも50〜60万円かかる。財産分与が仮に3000万円あれば、それだけで報酬は300万円になる計算。獲得額に応じて費用が大きく膨らむ点は覚悟しておくべきだと感じる。
※口コミより・2023-06(要旨)
私の場合、離婚調停と婚姻費用、親権の調停、離婚裁判まで争って弁護士費用は合計100万円ぐらいだった。物価上昇前の話なので、今同じことをすれば200万円ぐらい必要かもしれない。
※口コミより・2026-03(要旨)
離婚したいと申し出てから1年8か月で成立。財産分与は等分、養育費は月4万円×2人などの条件で、弁護士費用は48万円だった。婚姻費用を払い続けるより離婚を優先した結果で、恵まれたケースだと思うという体験談。
※Web掲示板より・2021-01(要旨)
共通するのは、契約時に総額のイメージを持てていなかったという後悔です。逆に、見積り比較をして納得ずくで依頼した人の満足度は高い傾向がありました。
2026年4月の民法改正で変わった離婚のお金のルール

令和8年(2026年)4月1日に、離婚に関する民法の大きな改正が施行されました(法務省の解説)。お金のルールが変わり、弁護士への相談内容にも直結しています。
古い情報のまま判断すると損をする可能性があります。2026年7月時点の現行ルールを整理します。
①財産分与の請求期限が「2年→5年」に延長
離婚後に財産分与を家庭裁判所へ請求できる期間は、民法768条の改正で離婚の時から5年になりました(改正前は2年)。
あわせて、分与割合は2分の1を基本とする考え方が条文に明記されました。「離婚を急ぎたいので財産分与は後回し」という選択が、以前より取りやすくなっています。
弁護士費用の面では、「先に離婚だけ成立させ、財産分与は資金を整えてから依頼する」という二段構えの計画も現実的になりました。着手金を2回に分ける形になるため、総額の比較は必要です。
②法定養育費と先取特権|「取り決めなし」でも請求できる時代に
今回の改正の目玉です。養育費の取り決めをせずに協議離婚した場合でも、子ども1人あたり月額2万円(法定養育費)を離婚の日から請求できるようになりました(民法766条の3)。
さらに、養育費の債権には先取特権という強い権利が与えられ、子ども1人あたり月額8万円まで、公正証書などの債務名義がなくても差押えが可能になりました。
この変化は公正証書の役割にも影響します。月8万円を超える取り決めや、慰謝料・財産分与・一括払いの合意には引き続き公正証書などの債務名義が必要です。「先取特権があるから公正証書は不要」とは言い切れません。
ひとり親向けの養育費相談窓口はこども家庭庁の案内ページにまとまっています。弁護士費用をかける前の情報収集にも使えます。
③共同親権の選択制|争点が増えると費用も動く
離婚後の親権は、父母の合意で共同親権か単独親権かを選べる制度になりました。合意できない場合は裁判所が判断します。
ただし、DVや虐待のおそれがある場合は、裁判所は単独親権を定めなければならないとされています。「共同親権が原則」ではない点は正確に理解してください。
弁護士費用の観点では、親権の形・養育費・親子交流(旧: 面会交流)の設計が新たな争点になり得ます。争点が増えれば費用も増える構造は前述のとおりなので、初回相談で論点の見通しを立てることが一層重要になりました。
④施行日をまたぐ離婚は適用関係に注意
2026年4月1日の施行日より前に離婚した場合と後に離婚した場合では、適用されるルールが異なる場面があります。
たとえば法定養育費は施行後の離婚が対象ですし、財産分与の期限も離婚した時期によって整理が必要です。施行日前後に離婚した(する)方は、自分がどちらのルールに乗るのかを最初の相談で確認してください。
また、調停や裁判では親子交流の試行的実施という新しい仕組みも始まっています。制度の移行期はまさに「弁護士に確認する価値」が高い時期といえます。
離婚の弁護士費用でよくある質問
最後に、相談の現場で頻出する疑問をまとめて解消します。
- 弁護士費用は分割払いや後払いにできますか?
-
できる事務所は多くあります。着手金の分割に応じる事務所や、報酬金重心の後払い型プランを持つ事務所もあります。
収入・資産が基準内なら、法テラスの立替制度(月5,000円〜1万円程度の無利息分割)が最も確実な方法です。
- 途中で弁護士を解任したら、費用は返ってきますか?
-
着手金は原則として返還されません。ただし、委任契約書の精算条項に従い、進み具合に応じて一部が戻る場合もあります。
解任・辞任時の精算ルールは契約前に必ず確認してください。
- 相手が弁護士を立てました。自分も立てるべきですか?
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交渉力の差が結果の金額に直結しやすいため、少なくとも一度は弁護士に相談することを強くおすすめします。
費用が不安なら、まず無料相談で「依頼しない場合のリスク」と「費用の見込み」を聞き比べる方法があります。
- 円満離婚(争いなし)でも費用は同じですか?
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争いがなければ依頼範囲を絞れるため、費用は大きく下がります。合意書の作成や公正証書化のサポートだけなら数万円〜十数万円が目安です。
- 弁護士なしで離婚調停はできますか?
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できます。調停は本人だけでも申し立てられ、裁判所の実費は収入印紙1,200円と切手代程度です。
ただし、財産分与や養育費の金額交渉で不利になるリスクは残ります。少額の相談料で方針だけ確認してから臨む方法が現実的です。
- 弁護士費用を親に払ってもらっても問題ありませんか?
-
法律上の問題はありません。実務でも親族が援助するケースは多くあります。
ただし、共有財産から払う場合と異なり、誰が払ったかを記録に残しておくと後の精算トラブルを防げます。
- 養育費の請求だけを頼むと費用倒れになりますか?
-
金額によります。2026年4月からは、子ども1人あたり月額8万円までは公正証書などがなくても差押えできる先取特権が認められ、一定の資料があれば弁護士に頼まなくても回収できる場面が広がりました。
それを超える請求や相手が支払いを争う場合は、獲得見込み額と費用を比べてから依頼を判断してください。
- 相談だけで依頼しなくても大丈夫ですか?
-
まったく問題ありません。無料相談は「依頼するかどうかを判断するための場」です。
複数の事務所で相談して見積りを比べるのは、費用を抑える最も効果的な方法でもあります。
- いくら手元にあれば弁護士に依頼できますか?
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一般的な水準なら、着手金と当面の実費として30万〜40万円が最初の目安です。
法テラスの基準に該当すれば、まとまった手持ちがなくても月5,000円〜1万円程度の分割で依頼できます。
- 調停が始まってからでも依頼できますか?
-
できます。調停の途中からの受任は珍しくなく、期日間の準備から任せられます。
ただし着手金は原則満額かかるため、迷っているなら早い段階で相談するほうが費用面では有利です。
- 弁護士費用が安い事務所は品質も低いのでしょうか?
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一概にはいえません。報酬が自由化されているため、地域や事務所の方針で価格は変わります。
金額よりも、見積りの内訳が明確か、経済的利益の数え方を説明してくれるかで判断するほうが確実です。
- 公正証書は弁護士に頼まず自分で作れますか?
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作れます。夫婦で条件が固まっていれば、公証役場に直接申し込めて、費用は公証人手数料(数千円〜数万円)だけで済みます。
ただし、養育費の金額や支払い条件の設計に不安があるなら、文案チェックだけ弁護士に頼む方法が費用対効果に優れます。
まとめ|相場を知ってから相談すれば費用は怖くない
離婚の弁護士費用の要点を整理します。
- 総額の目安は協議で約40万〜70万円・調停で約45万〜80万円・裁判まで進むと約70万〜110万円
- 中心は着手金20万〜30万円+報酬金20万〜30万円(日弁連2008年アンケートの最多回答水準)
- 報酬金には財産分与・慰謝料など獲得額の10〜16%程度が加算される
- 弁護士費用は自分で払うのが原則。不法行為の裁判では認容額の1割程度を相手に請求できる場合がある
- 払えないときは法テラスの立替制度(月5,000円〜1万円の無利息分割)や分割払いが使える
- 複数見積り+早期相談が最大の節約。契約前に経済的利益の数え方と追加費用を必ず確認する
- 2026年4月の民法改正で財産分与の期限5年・法定養育費・先取特権など、お金のルールが大きく更新された
なお、弁護士費用のほかにも、別居の初期費用や当面の生活費など離婚には現金が必要な場面が続きます。婚姻費用の確保と法テラスの活用を軸に、資金計画は早めに立ててください。
費用の不安は、仕組みを知らないことから生まれます。相場と内訳がわかった今なら、見積書を冷静に読めるはずです。
次の一歩は、無料相談を2〜3か所で受けて見積りを比べることです。その比較こそが、費用を抑えつつ後悔のない離婚につながります。
参考文献(一次資料)
- 日本弁護士連合会「弁護士費用(報酬)とは」
- 日本弁護士連合会「市民のための弁護士報酬ガイド(2008年アンケート結果版)」
- 神奈川県弁護士会「弁護士費用の目安」
- 法テラス「無料法律相談・弁護士等費用の立替」
- 法テラス「離婚等請求事件 費用の目安」
- 法テラス「民事法律扶助のしおり」
- 裁判所「夫婦関係調整調停(離婚)」
- 裁判所「手数料」・「手数料額早見表」
- 裁判所「平成30年度司法研究(養育費・婚姻費用の算定表)」
- e-Gov法令検索「民法」
- e-Gov法令検索「民事訴訟費用等に関する法律」
- e-Gov法令検索「公証人手数料令」
- 法務省「民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)」
- 法務省「離婚を考えている方へ」
- こども家庭庁「養育費・親子交流の相談窓口」
- 厚生労働省「令和7(2025)年人口動態統計月報年計(概数)の概況」
- 厚生労働省 令和4年度「離婚に関する統計」
- 日本公証人連合会「手数料」Q&A
- 最高裁判所 令和3年1月22日判決(弁護士費用の賠償法理)

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