失業保険(雇用保険の基本手当)が「年収に入るのか」は、税金の扶養と社会保険の扶養で答えが正反対になります。
税金の計算では失業保険は非課税で年収に含まれず、配偶者控除や扶養控除に影響しません。
一方で健康保険の扶養では失業保険も収入とみなされ、基本手当の日額が3,612円以上だと受給中は扶養から外れます。
この「税と社会保険で扱いが違う」という一点を押さえれば、失業保険と扶養の疑問はほとんど解消します。
この記事では両者の基準・手続き・確定申告の要否まで、国税庁や協会けんぽの一次情報をもとに整理します。
制度は改正されることがあります。本記事は2026年7月時点の情報です。
【結論】失業保険は「税金の扶養」では年収に入らない・「社会保険の扶養」では入る

まず結論です。同じ「扶養」でも税金上の扶養(配偶者控除・扶養控除)と社会保険上の扶養(健康保険の被扶養者)はまったく別の制度で、判定する基準も別々です。
失業保険は前者では収入としてカウントされず、後者では収入としてカウントされます。
なぜこうなるのかというと、税金上の扶養は「課税される所得」で判定するのに対し、社会保険上の扶養は「実際に入ってくるお金(収入)」で判定するからです。
失業保険は法律上非課税なので、税金の世界では所得ゼロと同じ扱いになりますが、生活費として現実にお金は入ってくるため、社会保険の世界では収入と見なされます。
この記事を読んでいる方は、たとえば「退職して失業保険をもらう予定だが、夫(妻)の扶養に入れるのか」「扶養に入っている今、失業保険をもらうと外れてしまうのか」「配偶者控除は使えなくなるのか」といった不安をお持ちだと思います。
結論から言えば、税金の扶養は心配いらず、注意が必要なのは健康保険の扶養だけです。まずはこの全体像から押さえていきましょう。
| 税金上の扶養 (配偶者控除・扶養控除) | 社会保険上の扶養 (健康保険の被扶養者) | |
|---|---|---|
| 判定に使う基準 | 合計所得金額(課税される所得) | 実際の年間収入の見込み |
| 失業保険の扱い | 含めない(非課税) | 含める(収入として算入) |
| 主な収入ライン | 合計所得58万円以下=給与収入123万円以下 | 年収130万円未満(60歳以上等は180万円未満) |
| 失業保険での影響 | 受給しても扶養や控除は外れない | 日額3,612円以上の受給中は扶養から外れる |
| 確認先 | 税務署・お住まいの市区町村 | 勤務先の健康保険(協会けんぽ・健保組合) |
① 失業保険は非課税なので、税金の扶養(配偶者控除など)には一切影響しません。
② 健康保険の扶養では失業保険も収入に入り、日額3,612円以上の受給中は扶養に入れません。
③ ただし待期期間・給付制限期間中や受給が終わった後は、健康保険の扶養に入れます。
この記事の残りは、この結論の「なぜ」と「具体的な数字・手続き」を一つずつ確認していく構成です。
ご自身が知りたいのが税金の話か社会保険の話かで、読む見出しを選んでいただいて構いません。
なぜ「扶養」に2種類あるのか
そもそも「扶養」という言葉が2つの意味で使われているのが、混乱の最大の原因です。
ひとつは税金の扶養で、これは所得税・住民税を計算するときに家族の分の控除を認める制度です。
もうひとつは社会保険の扶養で、これは健康保険や年金で「保険料を負担せずに家族の保険に入れる」制度を指します。
この2つは、根拠となる法律も、判定する役所も、基準となる金額も別々です。
税金の扶養は国税庁・市区町村が所得税法・地方税法にもとづいて判定し、社会保険の扶養は健康保険組合・年金機構が健康保険法などにもとづいて判定します。
だからこそ、同じ失業保険が「一方では収入に入らず、もう一方では収入に入る」という一見矛盾した結果になるのです。
この記事では、まず失業保険が非課税であることを確認し(第2章)、そのうえで税金の扶養(第3章)と社会保険の扶養(第4章以降)を分けて解説します。
「失業保険は税では入らない・社保では入る」という軸さえ持っていれば、どの見出しから読んでも迷いません。
そもそも失業保険(基本手当)はなぜ非課税なのか

失業保険が税金の扶養に影響しない大前提は、失業保険が法律で非課税と定められていることにあります。
ここを理解しておくと、後半の「税金には影響しないが社会保険には影響する」という違いがすっきり腹落ちします。
失業保険は「失業等給付」で所得税も住民税もかからない
ハローワークで受け取る失業保険(基本手当)は、雇用保険法上の「失業等給付」に位置づけられます。
そして雇用保険法第12条は、失業等給付として支給を受けた金銭には租税その他の公課を課すことができないと定めています。
つまり失業保険には所得税も住民税もかからない、という意味です。
国税庁も、雇用保険法の求職者給付は失業等給付にあたり課税されないと示しています(国税庁の質疑応答事例)。
これは、失業保険が「次の仕事が見つかるまでの生活費を保障する」ためのお金であり、そこに課税してしまうと制度の趣旨に反するためです。
非課税とは、その金額をそもそも所得として数えないということです。給与のように源泉徴収されることもなく、確定申告で申告する必要もありません。
結果として、失業保険は税金の世界では「無かったこと」に近い扱いになります。
課税される「給与・退職金」と非課税の「失業保険」の違い
退職前後に受け取るお金には、課税されるものと非課税のものが混在しています。
ここを混同すると「失業保険も年収に足さなきゃ」と誤解してしまうので、代表的なお金を一覧で整理します。

| 受け取るお金 | 課税/非課税 | 税金の扶養・年収への影響 |
|---|---|---|
| 失業保険(基本手当) | 非課税 | 影響しない(所得に含めない) |
| 給与・賞与 | 課税 | 含める(給与所得) |
| 退職金 | 課税 | 退職所得として別枠で課税(多くは大きく控除) |
| 健康保険の傷病手当金・出産手当金 | 非課税 | 税金の所得には含めない |
| 公的年金(老齢年金) | 課税 | 雑所得として含める場合あり |
| 再就職手当・就業促進手当 | 非課税 | 失業等給付なので非課税 |
このように、失業保険と同じく傷病手当金・出産手当金・再就職手当なども非課税です。
一方で給与・賞与・退職金・年金は課税対象なので、税金の扶養を考えるときはこちらを合計します。
「失業保険を年収に入れるべきか」で迷ったら、非課税のお金は税金の年収には入れないと覚えておけば間違いありません。
なぜ失業保険には課税されないのか(制度の趣旨)
失業保険が非課税とされているのは、この給付が「利益」ではなく生活の保障だからです。
働いて得た報酬なら担税力(税金を負担する力)があるとみなせますが、失業中の生活費に課税してしまうと、生活再建を支えるという制度の目的が損なわれてしまいます。
そのため雇用保険法12条であえて非課税と明記しているわけです。
同じ考え方から、雇用保険の再就職手当・就業促進定着手当・教育訓練給付なども非課税です。
これらはすべて失業等給付に含まれるため、税金の年収や合計所得には一切影響しません。
「ハローワーク経由で受け取るお金は基本的に非課税」とイメージしておくと分かりやすいでしょう。
失業保険は非課税ですが、ハローワークでの受給記録は残ります。そのため、扶養に入ったまま基準を超える失業保険を受給していると、後日の確認で判明することがあります。
「非課税だからバレない」という理解は誤りで、社会保険の扶養では正しく届け出る必要があります。
退職金や再就職手当はどう扱われる?
退職時にまとまって受け取る退職金は、失業保険とは違って課税対象です。
ただし退職所得は「退職所得控除」が大きく、勤続年数に応じて相当額まで税金がかからない仕組みになっています。
また、税金の扶養を判定する合計所得には退職所得も含まれますが、控除後の金額で見るため、多くのケースでは扶養の判定に大きく響かないこともあります。
一方、早めに再就職が決まったときに受け取れる再就職手当は、失業等給付の一種なので非課税です。つまり再就職手当も、税金の年収・合計所得には含めません。
「働いて得た給与は課税、ハローワークからの給付は非課税」という線引きで整理すると分かりやすいでしょう。
「税金の扶養」に失業保険は影響しない(配偶者控除・扶養控除)

税金上の扶養とは、配偶者や親族を扶養していると配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除が受けられ、扶養する側の税金が軽くなる仕組みです。
ここでは失業保険が非課税であることが効いてきて、いくら失業保険を受け取っても税金の扶養からは外れません。
税金の扶養の条件は「合計所得58万円以下(給与なら123万円以下)」
誰かの税金上の扶養に入る(=配偶者控除・扶養控除の対象になる)には、扶養される人の合計所得金額が58万円以下である必要があります。
給与だけで生活している人なら、給与収入123万円以下が目安です。
これは、給与収入から給与所得控除(最低65万円)を引いた残りが合計所得になるためで、123万円−65万円=58万円という計算です。
かつて税金の扶養の目安は「103万円」でしたが、令和7年度の税制改正で見直され、扶養親族・同一生計配偶者の合計所得の要件は48万円→58万円、給与所得控除の最低額は55万円→65万円に引き上げられました。
その結果、給与収入の目安は103万円から123万円へと変わっています(令和7年分から適用)。
失業保険は合計所得に含めないので配偶者控除・扶養控除は受けられる
ここが本題です。合計所得は課税される所得の合計なので、非課税である失業保険は1円も含まれません。
したがって、失業保険以外に大きな収入がなければ、失業保険をどれだけ受け取っても配偶者控除・扶養控除の対象から外れることはありません。
たとえば専業主婦(主夫)の方が退職後に失業保険を月10万円受け取っていても、税金の計算上その10万円は所得ゼロと同じ扱いです。
そのため配偶者は引き続き配偶者控除を受けられます。国税庁も、求職者給付を受給している配偶者について同様の考え方を示しています。
配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除の関係

配偶者については、合計所得が58万円以下なら配偶者控除、58万円超133万円以下なら配偶者特別控除が用意されており、収入が少し増えても控除が段階的に減る(=いきなりゼロにならない)仕組みになっています。
子どもや親などの親族は扶養控除の対象で、こちらも合計所得58万円以下が要件です。
| 控除の種類 | 対象者の合計所得金額 | 給与収入の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 配偶者控除 | 58万円以下 | 123万円以下 | 本人の合計所得1,000万円以下が条件 |
| 配偶者特別控除 | 58万円超〜133万円以下 | 123万円超〜約201万円以下 | 所得に応じ控除額が逓減 |
| 扶養控除 | 58万円以下 | 123万円以下 | 子・親など親族が対象 |
いずれも令和7年分からの数値。控除額は扶養する側の所得によっても変わります。詳細は国税庁のタックスアンサーを参照。
19〜23歳の子がいる場合の「特定親族特別控除」
令和7年度の改正では、特定親族特別控除という新しい控除も創設されました。
これは、大学生年代(19歳以上23歳未満)の子などがアルバイトで少し多めに稼いでも、親の税負担が急に増えないようにするための控除です。
子の合計所得が58万円超123万円以下なら、所得に応じて最大63万円が親の所得から控除されます(令和8年1月以後の給与から適用)。
この控除でも、子が受け取った失業保険は合計所得に含めません。
たとえば大学生の子が学業のかたわら短期のアルバイトをしていた後に失業保険を受給していても、失業保険部分は判定に影響せず、アルバイトの給与だけで控除の可否を見ます。
なぜ103万円から123万円に引き上げられたのか
背景には、いわゆる「年収の壁」問題があります。
基礎控除や給与所得控除の金額が長く据え置かれていたため、物価や賃金が上がるなかで「働き控え」が起きやすいと指摘されていました。
そこで令和7年度改正で控除額を引き上げ、扶養に入れる収入の上限も103万円から123万円へ広げたのです。
ただし、この見直しはあくまで税金の扶養の話で、社会保険の130万円の壁は別に残っている点に注意が必要です。
失業保険は非課税=合計所得に含めない。だから受給額の大小に関係なく、税金の扶養(配偶者控除・扶養控除)はそのまま維持できます。
注意すべきは、失業保険以外の給与やパート収入。これらは課税されるので、合計して123万円(配偶者特別控除なら約201万円)を超えないかで判定します。
住民税の「100万円の壁」も失業保険は関係ない
所得税とは別に、住民税にも扶養や非課税の考え方があります。
住民税が非課税になる給与収入の目安はおおむね100万円前後(自治体により93万〜100万円)で、いわゆる「100万円の壁」と呼ばれます。
ここでも失業保険は非課税なので、住民税の判定にも一切含めません。
つまり、失業保険をいくら受け取っても、所得税・住民税いずれの扶養・非課税ラインにも影響しません。
税金に関する「◯◯万円の壁」を考えるときは、失業保険は最初から除外して、給与などの課税収入だけで判断すれば大丈夫です。
具体例で確認する(税金の扶養)
イメージしやすいよう、簡単な例で確かめてみましょう。いずれも配偶者控除・扶養控除は税金の話なので、失業保険は計算に入れません。
年の途中で退職し、その後は失業保険を月10万円(年間約90万円)だけ受給、ほかに収入なし。→ 失業保険は非課税なので合計所得は0円。
合計所得58万円以下なので、配偶者は配偶者控除を受けられます。受給額が年90万円でも、税金の扶養にはまったく影響しません。
退職前にパートで給与収入100万円、退職後に失業保険を年間40万円受給。→ 税金の判定に使うのは給与100万円だけ(失業保険40万円は含めない)。
給与100万円は123万円以下なので、この年は配偶者控除の対象になります。
このように、税金の扶養で見るのは課税される収入だけです。「失業保険を足したら123万円を超えるのでは」と心配する必要はありません。
あくまで給与・事業・年金などの課税所得だけを合計して判断します。
「社会保険の扶養」では失業保険は収入に入る(130万円の壁)

ここからが多くの人がつまずくポイントです。健康保険の被扶養者(社会保険の扶養)では、税金とは逆に失業保険も収入としてカウントします。
しかも判定は年額ではなく「日額」で行われるのが特徴です。
被扶養者の年収130万円未満に失業保険も含まれる
健康保険の扶養(配偶者の健康保険に入る、いわゆる第3号被保険者を含む)に入るには、扶養される人の年間収入が130万円未満であることが基本条件です(60歳以上・障害者は180万円未満)。
そしてこの収入には、給与や年金だけでなく雇用保険の失業給付も含まれます。
協会けんぽも、被扶養者の収入には「雇用保険の失業給付」を含むとしています(協会けんぽ)。
つまり、税金では無視できた失業保険が、社会保険では堂々と収入に数えられるわけです。ここが税と社保の最大の違いです。
130万円は「これから1年間の見込み額」で判定する

社会保険の130万円は、「すでに受け取った合計」ではなくこれから先1年間に受け取る見込み額で判定します。
そのため、月額や日額に換算したペースが基準を超えるかどうかで見ます。
| 区分 | 年間の基準 | 月額の目安 | 日額の目安 |
|---|---|---|---|
| 一般(60歳未満) | 130万円未満 | 約108,333円 | 3,611円以下ならOK |
| 60歳以上・障害者 | 180万円未満 | 約150,000円 | 4,999円以下ならOK |
| 19歳以上23歳未満(配偶者除く) | 150万円未満 | 125,000円 | 4,166円以下ならOK |
一般の人なら130万円÷12か月=月約10万8,333円、さらに130万円÷360日=日額3,611円が目安です。
この「日額」が、次の見出しで説明する3,612円の壁の正体になります。
19歳以上23歳未満は150万円未満に
令和7年度以降、19歳以上23歳未満(配偶者を除く)の被扶養者については、年収基準が150万円未満に引き上げられました。
日額に換算すると150万円÷360日=約4,166円が目安です。
大学生年代の子がアルバイトや短期就労のあとに失業保険を受給する場合は、この緩和された基準で判定されます。
つまり社会保険の扶養の年収ラインは、一般130万円・60歳以上や障害者180万円・19〜23歳150万円の3段階です。
いずれの場合も失業保険は収入に含めて判定するという点は共通しています。
なぜ社会保険では失業保険を収入に数えるのか
税金では非課税なのに、社会保険ではなぜ収入に数えるのか、疑問に思うかもしれません。
理由は、社会保険の扶養が課税・非課税を問わず「実際に生活費として使えるお金があるか」で判定する制度だからです。
健康保険の被扶養者は保険料を負担せずに保険を使えるため、自分の生活費を自分でまかなえる収入がある人は対象外にする、という考え方に立っています。
そのため、失業保険のほか、公的年金(老齢・障害・遺族)・傷病手当金・出産手当金なども社会保険の収入に含めます。
税金では非課税のこれらのお金も、社会保険では「生活費に充てられる収入」として扱われる点が、税金との大きな違いです。
同じ「年収130万円」「年収123万円」という言葉でも、税金の年収は課税所得ベース、社会保険の年収は非課税分も含む実収入ベースです。
同じ金額でも数える中身が違うため、片方の基準で考えてもう片方に当てはめると誤ります。必ず「今は税の話か、社保の話か」を意識してください。
「130万円の壁」と「106万円の壁」の違い
社会保険にはもうひとつ、106万円の壁という言葉もあります。これは失業保険とは直接関係しませんが、混同しやすいので整理しておきます。
106万円の壁は、パートなどで働く人が自分の勤務先で社会保険に加入する義務が生じる基準です。
一方、この記事で扱う130万円の壁は、家族の扶養(被扶養者)に入れるかどうかの基準です。
失業保険を受給している人は働いていないため、106万円の壁(勤務先での加入)は問題になりません。
関係するのは130万円の壁=扶養に入れるかのほうだと覚えておけば十分です。
| 106万円の壁 | 130万円の壁 | |
|---|---|---|
| 何の基準か | 勤務先で社会保険に入る義務 | 家族の扶養に入れるか |
| 対象 | 一定規模の会社で働くパート等 | 扶養に入りたい人全般 |
| 失業保険との関係 | 受給中は働いていないので無関係 | 失業保険も収入に含めて判定 |
失業保険で扶養から外れる「日額3,612円の壁」とは

社会保険の扶養で失業保険が問題になるのは、基本手当の日額が一定額を超えるケースです。
具体的には日額3,612円がボーダーラインで、これ以上を受給している間は原則として扶養に入れません。
日額3,612円以上を受給中は扶養に入れない
健康保険の実務では、基本手当の日額が3,612円以上になると、年収換算で130万円以上のペースとみなされ、受給している期間は被扶養者になれない(=扶養から外れる)という扱いが一般的です。
逆に日額3,611円以下であれば、受給中でも扶養のままでいられます(武田薬品健康保険組合の案内など)。
60歳以上や障害のある方は基準が緩く、日額5,000円以上で扶養から外れます(180万円÷360日=5,000円)。
この日額判定のため、実際の受給総額が130万円に届かなくても、日額が高ければ受給期間中は扶養に入れない点に注意してください。
待期期間・給付制限期間中は扶養でいられる

失業保険はすぐに振り込まれるわけではなく、申請後に7日間の待期期間、自己都合退職ならさらに給付制限期間(原則2〜3か月)を経てから支給が始まります。
このお金が実際に入っていない期間は収入ゼロなので、扶養に入れます。
扶養から外れる必要があるのは、あくまで受給開始日からです。給付制限がない場合は待期満了日の翌日、給付制限がある場合は給付制限満了日の翌日が受給開始日にあたります。
| 期間 | お金の状態 | 健康保険の扶養 |
|---|---|---|
| 待期期間(7日間) | 支給なし | 入れる |
| 給付制限期間(自己都合・原則2〜3か月) | 支給なし | 入れる |
| 受給中(日額3,612円以上) | 支給あり | 外れる |
| 受給中(日額3,611円以下) | 支給あり(少額) | 入れる |
| 受給終了後 | 支給なし | 再び入れる |
65歳以上の「高年齢求職者給付金」も収入に含まれる
65歳以上で離職した人は、基本手当ではなく高年齢求職者給付金という一時金を受け取ります。
これも雇用保険の給付なので税金では非課税ですが、健康保険の扶養では収入として扱われる点は基本手当と同じ考え方です。
一時金として一度に支給されるため、扶養の判定では受け取った月の収入として見られることがあり、加入する健康保険への確認が必要です。
自分の基本手当日額を確認する方法
自分が「壁」の内側か外側かは、雇用保険受給資格者証に記載された「基本手当日額」を見れば分かります。
ハローワークで手続きをすると交付され、給付の状況もそこに記録されます(ハローワークの基本手当の案内)。
基本手当日額は退職前6か月の賃金をもとに計算されるため、給与が高かった人ほど日額も高く、扶養から外れやすい傾向があります。
具体的には、基本手当日額は退職前6か月の賃金の合計÷180×給付率(およそ50〜80%)で決まります。
賃金が低かった人ほど給付率が高くなる仕組みですが、それでももとの給与が高ければ日額も3,612円を超えやすいのが実情です。
逆に、パートや短時間勤務で賃金が低かった人は、日額が3,611円以下におさまり扶養を外れずに済むケースもあります。
給付制限は原則2か月に短縮されている
自己都合退職の給付制限期間は、以前は3か月でしたが、現在は原則2か月に短縮されています(5年間で3回目以降の自己都合離職などは3か月)。
この給付制限中は失業保険が支給されないため、その間は扶養にとどまれます。
一方、会社都合退職(特定受給資格者)や雇止め(特定理由離職者)の場合は、給付制限がなく、待期7日間の満了後すぐに受給が始まります。
この場合は受給開始が早い分、扶養を外れるタイミングも早くなるので、離職票が届いたら早めに日額と受給開始日を確認しておきましょう。
社会保険の扶養判定は、受け取った総額ではなくこれからのペース=日額で見ます。
たとえ受給日数が90日で総額が100万円台でも、日額が3,612円以上ならその受給期間中は扶養に入れません。この勘違いが非常に多いので注意しましょう。
具体例で確認する(社会保険の扶養)
日額でどう判定するのか、3つの例で見てみましょう。いずれも一般(60歳未満)の基準で考えます。
| ケース | 基本手当日額 | 判定 |
|---|---|---|
| 前職の給与が高かったAさん | 5,000円 | 受給中は扶養に入れない(3,612円以上) |
| パート勤務だったBさん | 3,400円 | 受給中も扶養のままでOK(3,611円以下) |
| 60歳で再就職活動中のCさん | 4,800円 | 扶養のままでOK(60歳以上は5,000円未満なら可) |
Aさんのように日額が高い場合、受給が始まるとその期間だけ扶養を外れ、国民健康保険・国民年金に加入します。受給が終われば再び扶養に戻れます。
Bさんのように日額が低ければ、扶養を外れることなく失業保険を受け取れます。Cさんのように60歳以上なら基準が緩く、日額5,000円未満であれば扶養にとどまれます。
このように、まず自分の基本手当日額が3,612円(60歳以上は5,000円)以上かどうかを確認することが、社会保険の扶養を考える出発点になります。
日額が分からないうちは、後述の手続きの必要性も判断できません。
扶養から外れる手続きと、受給後に扶養へ戻る手続き

日額3,612円以上の失業保険を受給する場合は、受給開始に合わせていったん扶養から外れる手続きが必要です。
そして受給が終わったら、再び扶養に戻る手続きを忘れずに行います。放置すると保険料や給付の返還トラブルにつながります。
扶養から外れるとき(国民健康保険・国民年金への切替)
受給が始まって扶養から外れると、その間は自分で健康保険と年金に加入する必要があります。
具体的には、国民健康保険+国民年金(第1号被保険者)に切り替えるか、退職前の会社の健康保険を任意継続するかを選びます。

- 配偶者(被保険者)の勤務先に被扶養者異動届(減)を提出し、扶養から外す。受給資格者証の写しなどを添付する。
- 市区町村の窓口で国民健康保険に加入(扶養を外れた日から14日以内が目安)。
- 国民年金の第3号被保険者から第1号被保険者へ種別変更し、国民年金保険料を自分で納める。
- 収入が少なく保険料の支払いが厳しい場合は、国民年金の免除・納付猶予や国保の軽減を申請できないか市区町村に相談する。
国民年金の「第3号被保険者」から外れることの意味

会社員や公務員に扶養されている配偶者は、国民年金の第3号被保険者として、自分で保険料を払わなくても年金の加入期間としてカウントされています。
ところが失業保険の受給で扶養を外れると、この第3号被保険者からも外れ、第1号被保険者として国民年金保険料を自分で納める必要が出てきます。
ここで大切なのは、第3号から第1号への切替を忘れないことです。
届出を忘れると、保険料の未納期間が生じて将来の年金額が減ったり、あとからさかのぼって保険料を請求されることがあります。
保険料の支払いが厳しければ、免除・納付猶予の申請も同時に検討しましょう。
受給が終わったら再び扶養へ戻る
失業保険の受給が終われば収入がなくなるため、もう一度扶養に戻ることができます。
受給資格者証に「支給終了」の記載・押印がされたものの写しを添えて、配偶者の勤務先で被扶養者異動届(増)を提出します。
あわせて国民健康保険の脱退と、国民年金の第3号被保険者への種別変更も行います。
届出が遅れるとどうなる
扶養から外す届出が遅れると、受給開始日までさかのぼって扶養資格が取り消されることがあります。
その間に健康保険を使っていた場合、医療費(保険負担分)の返還を求められることもあります。
受給が決まったら早めに、受給が終わったら速やかに、それぞれ届出をするのが安全です。
とくに注意したいのが、扶養に入ったまま失業保険を受給し続けてしまうケースです。
待期・給付制限期間中は問題ありませんが、受給が始まったのに扶養を外さないでいると、後日の扶養資格の再確認で判明し、受給開始日にさかのぼって国民健康保険料や医療費の精算が必要になることがあります。
「非課税だから大丈夫」ではなく、社会保険では日額基準を超えた受給中はきちんと外す、と覚えておきましょう。
扶養に関する届出は配偶者の勤務先(健康保険)へ、国民健康保険・国民年金はお住まいの市区町村へ、と窓口が分かれます。
健保組合によって必要書類や日額基準の細部が異なるため、実際の手続き前に加入している健康保険へ確認しておくと確実です。
扶養を外れている間の保険料はどうなる?
扶養を外れている期間は、国民健康保険料と国民年金保険料を自分で負担します。
国民年金保険料は月額約1万7,000円(年度で改定)、国民健康保険料は前年所得や自治体によって変わります。
この自己負担が発生する点が、日額の高い失業保険を受給するときの実質的なコストになります。
ただし、収入が大きく減っている場合は負担を軽くできる制度があります。
国民年金には保険料の免除・納付猶予、国民健康保険には軽減・減免の仕組みがあり、とくに会社都合退職(特定受給資格者)や雇止め(特定理由離職者)の場合は、国民健康保険料が大きく軽減される制度が用意されています。
会社都合退職や雇止めで失業保険を受給する人は、離職票の離職理由コードによって国民健康保険料が前年給与所得を30%として計算される軽減を受けられる場合があります。
該当しそうなら、扶養を外れて国保に加入する際に市区町村の窓口で必ず確認しましょう。
国民健康保険と任意継続、どちらを選ぶ?
扶養を外れる期間の健康保険は、国民健康保険に入るか、退職前の会社の健康保険を任意継続するかを選べます。
任意継続は退職後20日以内の手続きが必要で、原則2年間加入できます。保険料は在職時と違って会社負担分がなくなるため、在職時のおおむね2倍が目安です。
どちらが安いかは前年所得や扶養family構成によって変わります。
一般に、前年の所得が高かった人は任意継続の方が安くなりやすく、前年所得が低い人や軽減対象になる人は国民健康保険の方が安くなる傾向があります。
扶養を外れる前に、両方の保険料を試算して比べておくと安心です。
| 国民健康保険 | 任意継続 | |
|---|---|---|
| 手続き先 | 市区町村 | 退職前の健康保険 |
| 手続き期限 | 扶養を外れた日から14日が目安 | 退職後20日以内 |
| 保険料の目安 | 前年所得・自治体で変動(軽減あり) | 在職時の約2倍(上限あり) |
| 向いている人 | 前年所得が低い・軽減対象 | 前年所得が高い・扶養家族が多い |
失業保険と確定申告・住民税の関係

「失業保険をもらったら確定申告が必要?」という疑問も定番です。結論、失業保険そのものは非課税なので申告は不要です。
ただし、年の途中で退職した人は確定申告をした方が税金が戻ることがあるので、失業保険とは切り離して考えます。
失業保険自体は確定申告不要
失業保険は非課税所得なので、確定申告書に収入・所得として記載する必要はありません。
「失業保険をもらったこと」を理由に申告義務が生じることはない、と考えて問題ありません。
これは、失業保険が源泉徴収の対象にもなっていないことからも分かります。
給与や報酬なら支払い時に所得税が天引きされ、源泉徴収票が発行されますが、失業保険には源泉徴収票そのものが存在しません。
申告のしようがない、というのが正確なところです。
源泉徴収票のどこを見ればいい?
確定申告や還付申告をするときに使うのは、退職した会社が発行する源泉徴収票です。
「支払金額」がその年の給与収入、「源泉徴収税額」がすでに天引きされた所得税で、この源泉徴収税額が還付されるかどうかの元になります。
退職時に受け取っていない場合は会社に発行を依頼しましょう。
年の途中で退職した人は還付申告した方が得なことがある
一方、年の途中で退職して再就職していない人は、年末調整を受けていない状態です。
給与から毎月天引きされていた所得税は「1年間働く前提」で多めに計算されているため、確定申告(還付申告)をすると払いすぎた税金が戻るケースが少なくありません。
生命保険料控除や社会保険料控除(国民年金・国保の保険料)を申告に反映すると、さらに還付が増えることもあります。
還付申告はその年の翌年から5年間できるので、退職した年は一度計算してみる価値があります。
| こんな人 | 確定申告 | 理由 |
|---|---|---|
| 失業保険だけを受給し他に所得なし | 原則不要 | 非課税所得のみで課税所得がない |
| 年の途中で退職し再就職していない | した方が得 | 源泉徴収された所得税が還付される可能性 |
| 退職後に再就職し年末調整を受けた | 原則不要 | 新しい勤務先で精算済み |
| 副業・事業などの所得がある | 必要 | 課税所得があるため申告義務 |
受給中に住民税の納付書が届く理由
失業保険を受給している最中に、市区町村から住民税の納付書が届いて驚く人がいます。
これは失業保険に課税されたのではなく、前年の所得に対する住民税が後払いで請求されているためです。
住民税は前年の所得をもとに翌年課税される仕組みなので、退職した年の翌年にまとまった請求が来ることがあります。
在職中は住民税が毎月の給与から天引き(特別徴収)されていますが、退職すると天引きができなくなり、残りを自分で納める(普通徴収)形に切り替わります。
そのため、収入が失業保険だけになっている時期に、前年の給与に対する住民税の納付書が届いて負担に感じることがあるのです。
これは失業保険が課税されたわけではないので、失業保険を年収に入れて計算し直す必要はありません。
収入が減って住民税の支払いが難しいときは、市区町村に減免や分割納付の相談ができる場合があります。放置せず、早めに窓口へ問い合わせるのが安全です。
還付申告で戻る税金の具体イメージ
年の途中で退職した人がどれくらい還付を受けられるかは、それまでに天引きされた所得税と、実際の年間所得で計算し直した税額の差で決まります。
たとえば1〜6月に働いて所得税を数万円天引きされ、その後は失業保険のみという人は、年間の課税所得が想定より少なくなるため、天引きされた所得税の一部が戻ることがよくあります。
さらに、退職後に自分で払った国民年金・国民健康保険の保険料は社会保険料控除、生命保険料は生命保険料控除として申告に反映できます。
これらを漏れなく申告するほど、還付額は大きくなります。
還付申告は義務ではありませんが、やらないと戻るはずの税金がそのままになるので、退職した年は一度試算する価値があります。
還付申告をするときも、失業保険の金額は収入・所得の欄に記入しません。記入するのは退職までの給与(源泉徴収票の金額)や、各種控除の情報です。
非課税の失業保険を所得に足してしまうと、本来より税金が高く計算されてしまうので注意してください。
よくある誤解と「扶養と受給どっちが得」の考え方

最後に、読者がつまずきやすい誤解を整理し、「失業保険を受給するのと扶養に入るのはどっちが得か」の考え方をまとめます。
ここまで読んだ方なら、税と社会保険を分けて考えるという軸で判断できるはずです。
よくある誤解トップ3
誤解①:失業保険は非課税だから扶養に全部影響しない。→ 正しくは税金の扶養には影響しないが、社会保険の扶養には影響します。
誤解②:年間130万円もらわなければ社会保険の扶養から外れない。→ 判定は年額でなく日額3,612円。総額が130万円に届かなくても、日額が高ければ受給中は外れます。
誤解③:受給している間はずっと扶養に入れない。→ 待期期間・給付制限期間中や受給終了後は扶養に入れます。期間で切り替わると考えましょう。
誤解④:失業保険を受けると配偶者控除が使えなくなる。→ 配偶者控除は税金の制度で、失業保険は非課税のため影響しません。
社会保険の扶養(健康保険)と、税金の扶養(配偶者控除)を分けて考えれば、この混同は防げます。
誤解⑤:非課税だから届け出なくてよい。→ 税金の申告は不要でも、社会保険では日額3,612円以上の受給中は扶養を外す届出が必要です。
「税は申告不要/社保は届出必要」と、対応が真逆になる点に注意しましょう。
扶養に入るのと失業保険を受給するのはどっちが得か
失業保険は非課税で、受け取っても税金の扶養は維持できます。そのため多くの場合、受給できるなら受給した方が世帯の手取りは増えます。
ネックになるのは、日額3,612円以上だと受給期間中だけ社会保険の扶養を外れ、国民健康保険料・国民年金保険料の自己負担が発生する点です。
この自己負担と受け取る失業保険の額を比べれば、ほとんどのケースで受給した方が有利になります。
一方、基本手当日額が低い、受給日数が短い、次の就職を急がず扶養にとどまりたい、といった場合は扶養中心の選択も合理的です。
もうひとつ見落としやすいのが、配偶者の勤務先が支給する家族手当・扶養手当です。
これは会社ごとのルールで、「健康保険の扶養に入っていること」を支給条件にしている場合があります。
その場合、失業保険の受給で一時的に扶養を外れると、その間だけ家族手当が止まることもあるため、受給前に配偶者の勤務先の規定を確認しておくと安心です。
| こんな状況 | 向いている選択 | ポイント |
|---|---|---|
| 会社都合退職・給付日数が長い | 受給する | 非課税で手取りが増えやすい |
| 基本手当日額が3,611円以下 | 受給+扶養継続 | 扶養を外れずに受給できる |
| 日額が高く受給期間も長い | 受給する | 国保・年金の自己負担を上回る給付 |
| すぐ働く予定がなく給付も少額 | 扶養にとどまる | 手続き負担・保険料負担を避けられる |
まず基本手当日額が3,612円以上かを確認。以上なら受給中だけ社会保険の扶養を外れる前提で、受給額と保険料の自己負担を比べる。
税金の扶養(配偶者控除など)は受給に関係なく維持できる、と整理すれば迷いません。
受給する場合の「損得」を数字で試算してみる
日額が高い失業保険を受給する場合の損得を、ざっくり試算してみましょう。あくまで目安のイメージです。
受給総額は5,000円×90日=45万円。
この約3か月間は扶養を外れ、国民年金(月約1.7万円)と国民健康保険(軽減後で仮に月1万円)を負担すると、3か月で約8万円程度の保険料。
差し引き約37万円が手元に残る計算になり、受給した方が有利と分かります。
このように、多くのケースでは受給額が保険料の自己負担を大きく上回ります。保険料負担を理由に受給をためらう必要は基本的にありません。
ただし、受給日数が短く日額も低い場合や、扶養にとどまって手続きの手間を避けたい場合は、受給しない・扶養を維持するという選択も十分に合理的です。
なお、税金の扶養(配偶者控除・配偶者特別控除)は、失業保険を受給してもしなくても影響を受けません。
損得を考えるときに関係するのは、あくまで社会保険料の自己負担分だけだと整理しておきましょう。
よくある質問(失業保険と扶養)

失業保険と扶養について、検索でよく見られる疑問をQ&A形式でまとめました。
細かい要件は加入先の健康保険や市区町村で異なることがあるため、最終確認は各窓口で行ってください。
失業保険は年末調整や確定申告で申告が必要ですか?
失業保険をもらうと配偶者控除は受けられなくなりますか?
基本手当の日額が3,612円未満なら扶養に入ったまま受給できますか?
扶養に入ったまま日額3,612円以上の失業保険を受給してしまいました。
給付制限期間中は扶養に入れますか?
受給が終わったら扶養に戻れますか?手続きは?
60歳以上だと基準は変わりますか?
失業保険を受給すると、配偶者の年末調整に影響しますか?
扶養を外れている間の国民年金保険料が払えません。
失業保険は「収入がある」として扶養の申請を断られました。正しいですか?
まとめ:税は「非課税」・社保は「収入」で覚える
失業保険が年収に入るかは、税金では入らない・社会保険では入る。この一点に尽きます。
税金の扶養(配偶者控除など)は失業保険をいくら受け取っても維持できますが、健康保険の扶養では日額3,612円以上の受給中に外れます。
・失業保険は非課税(雇用保険法12条)。税金の年収・合計所得には含めない。
・税金の扶養は合計所得58万円以下(給与123万円以下)。失業保険は影響しない。
・社会保険の扶養は年収130万円未満に失業保険も含み、日額3,612円以上の受給中は外れる。
・待期・給付制限期間中や受給終了後は扶養に入れる。外れる/戻る手続きを忘れずに。
・失業保険自体の確定申告は不要。年途中退職者は還付申告を検討する価値あり。
制度は改正されることがあり、健康保険組合ごとに細かな運用差もあります。
ご自身のケースで迷ったら、税金は税務署・市区町村、社会保険は勤務先の健康保険・年金事務所、失業保険はハローワークという窓口で、最新の取り扱いを確認してください。
とくに、日額3,612円以上の失業保険を受給する予定がある人は、受給が始まる前に扶養を外れる手続きと、受給が終わった後に扶養へ戻る手続きの2回が必要になることを覚えておきましょう。
この届出のタイミングを逃さないことが、保険料や医療費の思わぬトラブルを防ぐいちばんのポイントです。
まとめると、失業保険は「税では非課税・社保では収入」。
税金の扶養(配偶者控除・扶養控除)は気にせず受給してよく、注意すべきは社会保険の扶養と、それに伴う手続き・保険料だけ、と押さえておけば、失業保険と扶養の関係で迷うことはほとんどなくなるはずです。
本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。最新の制度は各公式サイトでご確認ください。
参考にした一次情報・公式サイト
- 雇用保険法(e-Gov法令検索)
- 国税庁 質疑応答事例(失業等給付の非課税の取扱い)
- 国税庁 令和7年度税制改正による基礎控除の見直し等について
- 国税庁 タックスアンサー No.1191 配偶者控除
- 国税庁 タックスアンサー No.1195 配偶者特別控除
- 国税庁 タックスアンサー No.1180 扶養控除
- 国税庁 確定申告書等作成コーナー よくある質問(求職者給付を受給している配偶者)
- ハローワーク(厚生労働省)基本手当について
- 日本年金機構 令和7年度税制改正による基礎控除の見直し等について
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)被扶養者の認定における特例について
- 武田薬品健康保険組合 雇用保険失業給付受給中の被扶養者の取扱い

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