名古屋で相続の相談先を探すなら、答えは悩みの種類で決まります。相続人どうしがもめている・もめそうなら弁護士、相続税の申告は税理士、不動産の名義変更(相続登記)は司法書士、争いのない書類の収集・作成だけなら行政書士が受け皿です。
まだ悩みの種類がはっきりしない段階なら、いきなり事務所に行かなくても、名古屋には無料で使える公的な相談窓口が数多くあります。有料の相談で失敗しないためにも、入口の選び方から順に確認していきましょう。
もめている・遺産を分けられない→ 交渉・調停の代理ができるのは弁護士だけです。
相続税がかかりそう→ 税務相談・申告は税理士の独占業務です(無料でも税理士以外は不可)。
実家の名義変更→ 相続登記は司法書士へ。2024年4月から登記は義務化されています。
誰に頼むか迷う→ まず無料の公的窓口で悩みを仕分けしてもらうのが安全です。
掲載ポリシー:本記事は掲載事務所から広告料・紹介料を受け取っていません。事務所の紹介は各公式サイトの記載(2026年7月時点)に基づき、掲載順は所在エリアなどによる順不同で、優劣や推奨順位を示すものではありません。個別の税額計算などの税務相談には応じられないため、具体的な判断は必ず税理士・弁護士等の有資格者にご相談ください。
【結論】名古屋の相続相談は「悩みの種類」で選ぶ

相続の相談先選びで最初に押さえるべきことは、士業ごとにできること(権限)が法律で決まっているという事実です。同じ「相続に強い」を名乗っていても、弁護士・税理士・司法書士・行政書士では引き受けられる仕事がまったく違います。
だからこそ、事務所の知名度や広告ではなく、自分の悩みがどの士業の守備範囲かから逆算するのが失敗しにくい順序です。下の早見表で、自分のケースに近い行を確認してください。
| あなたの状況 | 相談先 | 理由 |
|---|---|---|
| 遺産の分け方でもめている・もめそう | 弁護士 | 交渉・調停・審判の代理ができるのは弁護士だけ |
| 遺言の内容に納得できない(遺留分) | 弁護士 | 請求の交渉・訴訟まで対応できる |
| 相続税の申告が必要そう・税額を知りたい | 税理士 | 税務相談・申告書作成は税理士の独占業務 |
| 実家・土地の名義変更(相続登記) | 司法書士 | 登記申請の代理は司法書士(弁護士も可能だが実務は司法書士が中心) |
| 相続放棄したい(借金が多い) | 弁護士・司法書士 | 弁護士は代理まで、司法書士は家裁提出書類の作成支援 |
| 戸籍集め・預貯金の解約など書類手続きだけ | 行政書士・司法書士 | 争いのない手続き支援。費用を抑えやすい |
| 何から手を付けるべきか分からない | 公的な無料相談窓口 | 市の無料法律相談や士業団体の窓口で仕分けしてもらう |
かんたん仕分け:いちばん近い状況は?
名古屋・愛知は「相続税がかかる家庭」が全国平均より多い
相談先選びの前提として知っておきたいのが、愛知県の相続事情です。国税庁の公表データによると、令和6年分に亡くなった方のうち相続税の申告書が提出された割合(課税割合)は愛知県で16.2%にのぼります。
全国の課税割合は10.4%(国税庁・令和6年分)ですから、愛知県は全国平均の約1.6倍。おおよそ6人に1人の相続で申告が発生している計算です(出典:名古屋国税局「令和6年分 相続税の申告事績の概要」)。
背景には、持ち家率や地価の水準があります。「うちは普通の家庭だから関係ない」と思っていても、名古屋市内の戸建てや預貯金を合わせると基礎控除を超えるケースは珍しくありません。基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数です(国税庁タックスアンサーNo.4152)。
名古屋の相続相談は3エリアに集中している
名古屋の相続に強い事務所は、名古屋駅(名駅)・丸の内・栄の3エリアにほぼ集中しています。どのエリアも地下鉄でつながっており、通いやすさで候補を絞れるのが名古屋の利点です。
- 名駅エリア:大手・全国系の事務所が集まる。JR・名鉄・近鉄利用者や、市外(一宮・岐阜方面)からのアクセスが最良。
- 丸の内エリア:官庁街に近く、地元の総合事務所が多い。地下鉄鶴舞線・桜通線ユーザーに便利。
- 栄エリア:税理士法人や司法書士事務所が点在。買い物ついでに寄れる立地で、車利用なら駐車場付きの事務所も。
依頼後は書類の受け渡しなどで2〜5回程度は事務所へ足を運ぶのが一般的です。初回相談の印象だけでなく、「ここに半年〜1年通えるか」という視点でエリアを選んでください。
名古屋で相続を相談できる公的・団体の窓口8つ

「誰に頼むかを決める前に、まず話を聞いてほしい」という段階で使えるのが、公的機関や士業団体の相談窓口です。名古屋は窓口の選択肢が多く、ほとんどが無料または低額で利用できます。
ただし、こうした窓口は時間が短く、その場で手続きを依頼できないのが原則です。悩みの仕分けと初期方針の確認に使い、具体的な依頼は事務所の無料相談に進む、という2段構えで考えましょう。
→ 表は横にスクロールできます
| 窓口 | 料金 | 形式・時間 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 名古屋市の無料法律相談 | 無料 | 1回20分・弁護士が対応・要予約 | 何から始めるか迷っている人 |
| 区役所の相談窓口 | 無料 | 市民相談として開催・区により日程が異なる | 近所で気軽に聞きたい人 |
| 愛知県弁護士会 名古屋法律相談センター | 30分5,500円(税込) | 全日9:20〜16:25(土曜は14:00まで) | 紛争の見通しを弁護士に聞きたい人 |
| 愛知県司法書士会 総合相談センター | 初回無料(1時間) | 県内5か所・予約制 | 相続登記や書類手続きの疑問 |
| 愛知県行政書士会 | 無料相談会あり | 常設・イベント形式の相談会 | 遺言書作成や書類手続きの入口 |
| 法テラス(愛知) | 無料(資力基準あり) | 同一問題につき3回まで・収入等の要件 | 費用に不安がある人 |
| 名古屋法務局 | 無料 | 登記手続案内・司法書士の無料登記相談(予約制) | 相続登記を自分でやりたい人 |
| 税務署・名古屋税理士会の相談窓口 | 無料 | 税務署の電話相談・税理士会の税の相談窓口 | 相続税の一般的な疑問 |
名古屋市・区役所の無料法律相談|迷ったらまずここ
名古屋市は、市民相談室や各区役所で弁護士による無料法律相談を実施しています。1回20分・予約制で、相続の相談にも対応しています(出典:名古屋市「法律のこと」)。
20分と短いため、聞きたいことを3つまでに絞って臨むのがコツです。「うちの場合、弁護士と司法書士どちらに頼むべきか」という仕分けの質問だけでも、十分に元が取れます。死亡後の市役所での手続き全般は名古屋市の「葬儀・死亡・相続」の案内ページにまとまっています。
愛知県弁護士会 名古屋法律相談センター|有料だが確実に弁護士と話せる
愛知県弁護士会が運営する名古屋法律相談センターでは、一般法律相談を30分5,500円(税込)で受けられます。土日祝を含む全日9時20分から16時25分まで(土曜は14時まで)開いており、確実に弁護士へアクセスできる窓口です(出典:愛知県弁護士会・相談料金)。
市の無料相談の予約が取れないときの次善策として覚えておくと便利です。事務所を紹介してもらう前提で、紛争の見通しを第三者的に聞けるのも利点です。
愛知県司法書士会 総合相談センター|登記・書類の疑問は初回1時間無料
愛知県司法書士会の総合相談センターは、初回1時間まで無料で相続登記や相続放棄の書類などの相談ができます。県内5か所で開催され、予約制です(出典:愛知県司法書士会)。
また、相続登記の義務化に伴い、名古屋法務局でも司法書士による無料登記相談(予約制)が実施されています(出典:名古屋法務局・無料登記相談のご案内)。自分で登記に挑戦するか、依頼するかを決める材料になります。
法テラス|収入等の要件を満たせば無料相談3回まで
法テラス(日本司法支援センター)は、収入・資産が一定基準以下の人を対象に、同じ問題につき3回まで無料の法律相談を提供しています。弁護士・司法書士費用の立替制度もあります(出典:法テラス・相続のFAQ)。
費用がネックで専門家に相談できないという人の安全網です。資力基準は世帯構成などで変わるため、公式サイトで自分が対象になるか確認してから予約しましょう。
愛知県行政書士会・税務署の窓口|書類と税の入口
愛知県行政書士会は、遺言書作成や相続の書類手続きに関する無料相談会を開催しています(出典:愛知県行政書士会)。「遺言を書いておきたい」「預貯金の解約の段取りを知りたい」といった、争いのない手続きの入口に向いた窓口です。
相続税の一般的な疑問は、税務署の電話相談や名古屋税理士会の税の相談窓口で無料で確認できます。ただし税務署は納税者側に有利な特例の使い方までは提案してくれません。「税額を減らせる余地があるか」は、相続税に注力する税理士の無料面談で聞くべき質問です。
予約が取れないときの動き方
市の無料法律相談は人気が高く、平日昼の枠から埋まりやすいのが実情です。予約が取れないからといって相談自体を先送りすると、3か月・10か月の期限だけが近づいてきます。
- 複数の窓口を並行で当たる:市民相談室・区役所・司法書士会・法テラスは別枠。同時に照会してよい。
- 開催日の異なる区も候補にする:名古屋市内は区ごとに相談日が異なるため、隣の区の枠が空いていることがある。
- 事務所の無料相談へ直行する:期限が迫っているなら、初回無料の事務所相談のほうが早く・長く話せる。
とくに相続放棄の3か月が迫っているケースでは、窓口の予約待ちより事務所直行が正解です。無料相談はあくまで手段であり、目的は期限内に正しい判断をすることです。
無料窓口を使い倒す3つのコツ
公的窓口の相談時間は20分〜1時間と短いため、準備の質がそのまま回答の質になります。次の3つを守るだけで、得られる情報量は倍増します。
- 質問を3つに絞って紙に書いていく:「誰に頼むべきか」「費用の目安」「今すぐやるべきこと」の3点が定番
- 財産と相続人のメモを持参する:正確でなくてよい。全体像が分かると回答が具体的になる
- 回答は「次にどこへ行くべきか」まで聞く:窓口相談のゴールは解決ではなく、正しい次の一歩の確定
なお、同じ悩みを複数の窓口で聞き比べるのも有効です。無料法律相談(弁護士)と司法書士会の相談で答えの角度が違えば、それ自体が「どちらに頼むべき案件か」のヒントになります。
生前対策の相談はどこへ?|遺言・贈与・認知症への備え
「親が元気なうちに備えたい」という生前対策の相談も、悩み別の仕分けは同じです。遺言書の作成は弁護士か行政書士・司法書士、生前贈与や納税資金の準備は税理士、認知症に備える家族信託は司法書士・弁護士が主な受け皿になります。
とくに遺言書は、相続トラブルの予防に役立つ最有力の手段です。自筆証書遺言は法務局の保管制度を使うと紛失や改ざんの心配が減り、公正証書遺言なら形式不備の心配もほぼ避けられます。書き方や形式の要件は厳格なので、自己流で書く前に一度は専門家のチェックを受けましょう。
税金面では、相続時精算課税制度に年110万円の基礎控除が設けられる(2024年〜)など、生前贈与のルールがここ数年で大きく変わっています。古い知識のまま贈与すると逆効果になる場合もあるため、最新制度を踏まえた設計を税理士に確認するのが安全です。
弁護士・税理士・司法書士・行政書士の違いと使い分け

相続の相談先選びで最も多い失敗が、頼める相手を間違えて時間とお金を二重に使うことです。士業の業務範囲は法律で厳密に決まっており、依頼先が違えば途中でやり直しになります。
とくに注意したいのは、税務相談は無料であっても税理士以外はできない(税理士法)、遺産分割の交渉・調停の代理は弁護士だけ(弁護士法)という2点です。以下の対応表で、頼みたい仕事と士業の対応関係を確認してください。
→ 表は横にスクロールできます
| 頼みたいこと | 弁護士 | 税理士 | 司法書士 | 行政書士 |
|---|---|---|---|---|
| 遺産分割の交渉・調停・審判の代理 | 弁護士 | 不可 | 不可 | 不可 |
| 遺留分侵害額請求の交渉・訴訟 | 弁護士 | 不可 | 原則不可 | 不可 |
| 相続税の申告・税務相談 | ※税理士登録等が必要 | 税理士 | 不可 | 不可 |
| 相続登記(不動産の名義変更) | 可能 | 不可 | 司法書士が中心 | 不可 |
| 相続放棄の家裁提出書類 | 代理まで可 | 不可 | 書類作成の支援 | 不可 |
| 戸籍収集・相続関係説明図 | 可能 | 申告に必要な範囲 | 可能 | 可能 |
| 遺産分割協議書の作成(争いなし) | 可能 | 申告に伴う範囲 | 可能 | 可能 |
| 預貯金の解約・名義変更の支援 | 可能 | 原則対象外 | 可能 | 可能 |
弁護士に頼むべきケース|「もめたら」ではなく「もめそうなら」
弁護士の独壇場は紛争性のある相続です。遺産の分け方で合意できない、特定の相続人が財産を開示しない、遺言の有効性に疑問がある、といったケースでは、他の士業は法律上、間に入ることすらできません。
重要なのは、実際にもめてから、ではなく「もめそう」の段階で相談することです。交渉が決裂して調停に進むほど費用も期間も膨らみます。名古屋家庭裁判所での遺産分割調停の手続きは裁判所の遺産分割調停の案内で確認できます。
なお、司法書士や行政書士が「相続人の間に入って調整します」と案内することは法律上できません。もし紛争案件への関与をうたう非弁護士がいたら、その時点で依頼先として不適切と判断してください。
税理士に頼むべきケース|基礎控除を超えるかが分岐点
税理士の出番は、遺産総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えるかどうかで判断します。超えるなら、死亡を知った日の翌日から10か月以内に相続税の申告と納税が必要です(出典:国税庁タックスアンサーNo.4205)。
ギリギリ超えないように見えるケースこそ要注意です。土地の評価や生命保険の非課税枠、生前贈与の持ち戻しなどで計算結果が変わる境界層だからです。愛知県は課税割合16.2%と全国平均より高く、「うちは大丈夫」という思い込みがとくに危険な地域といえます。
配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使って税額がゼロになる場合でも、申告そのものは必要です。この点の判断を誤ると特例が使えなくなるおそれがあるため、境界層ほど税理士の無料面談で確認する価値があります。
司法書士に頼むべきケース|相続登記は義務化済み
不動産の名義変更(相続登記)は、2024年4月1日から法律上の義務になりました。不動産の取得を知った日から3年以内に登記しないと、正当な理由がない限り10万円以下の過料の対象です(出典:法務省・相続登記の申請義務化Q&A)。
見落とされがちですが、義務化より前に相続した不動産も対象で、その猶予期限は2027年3月31日です。名古屋近郊に古い実家や祖父母名義の土地がある人は、残り期間を考えるといま動くべきタイミングです。
登記は名古屋法務局(公式サイト)へ申請します。自分で申請することも可能ですが、相続人が多い・代替わりが放置されていた(数次相続)といったケースは書類が複雑になるため、司法書士への依頼が現実的です。
行政書士に頼むべきケース|争いのない手続きを安く
行政書士が扱えるのは、争いのない相続の書類作成・収集です。戸籍の収集、相続関係説明図や財産目録の作成、預貯金の解約支援、自動車の名義変更などが該当します(出典:愛知県行政書士会)。
一方で、相続登記の申請と家庭裁判所に出す書類は行政書士の業務外です。不動産がある相続では結局司法書士が必要になるため、不動産なし・もめていない・書類だけという条件がそろったときに、費用を抑える選択肢として活きます。
士業選びのよくある誤解3つ
相談者がつまずきやすい誤解を、先に解いておきます。いずれも間違えると依頼のやり直しにつながる重要ポイントです。
誤解1:「140万円以下の相続なら司法書士が交渉してくれる」
認定司法書士が代理できるのは簡易裁判所で扱う140万円以下の民事事件に限られます。遺産分割は金額にかかわらず家庭裁判所の手続きのため、司法書士は代理できません。遺産が少額でも、分け方の交渉・調停の代理は弁護士だけです。
誤解2:「行政書士に頼めば相続手続きをまるごと任せられる」
行政書士が扱えるのは争いのない書類の作成・収集までです。相続登記の申請や家庭裁判所へ出す書類(相続放棄など)は業務範囲外のため、「まるごとお任せ」はできません。不動産があるなら、最初から司法書士に相談するほうが手戻りがありません。
誤解3:「税金の相談は無料ならどこでしてもいい」
税務相談は無料であっても税理士の独占業務です(税理士法)。資格のないコンサルタントや、他士業による個別の税額相談は法律上できません。相続税の具体的な相談は、必ず税理士(または税務署の窓口)にしてください。
ケース別の組み合わせ実例|名古屋でよくある4パターン
実際の相続では、複数の士業が必要になることが少なくありません。名古屋で典型的な4パターンで、誰に・どの順番で頼むかを具体化します。
ケース1:実家(戸建て)+預貯金。争いなし・基礎控除以下
最も多いパターンです。必要なのは相続登記と預貯金の解約だけなので、司法書士に一括で依頼するか、登記は自分で・解約は各金融機関で、という自力ルートも選べます。費用の目安は依頼しても総額15万〜29万円程度(掲載事務所の公表例)です。
ケース2:実家+預貯金+株式で基礎控除を超えそう
税理士が主役になります。土地の評価と特例(小規模宅地等)の適用で税額が大きく変わるため、相続税に注力する税理士に申告を依頼し、登記はグループや提携の司法書士へ回してもらうのが効率的です。愛知県の課税割合16.2%を踏まえると、名古屋の持ち家世帯はこのパターンの予備軍といえます。
ケース3:借金の可能性がある・疎遠な親族の相続
3か月の期限が最優先です。財産調査と相続放棄の判断を急ぐ必要があるため、弁護士(または司法書士)へ直行してください。疎遠だった被相続人の借金は、督促状が届いて初めて発覚することも多く、知った日から3か月という起算点の記録も重要になります。
ケース4:相続人の仲が悪い・遺言に不満がある
最初から弁護士一択です。他の士業に先に依頼しても、争いが表面化した時点で弁護士に引き継ぐことになり、二重コストになります。弁護士側で必要に応じて税理士・司法書士と連携してもらいましょう。
名古屋で相続に注力する弁護士事務所6か所

ここからは、名古屋で相続分野の情報発信・受付体制が公式サイトで確認できる弁護士事務所を紹介します。掲載は名古屋駅エリア→丸の内エリアの順(順不同)で、優劣や推奨順位ではありません。
選ぶ基準はシンプルです。①相続分野の取扱いが多いか ②初回相談の条件 ③費用体系が明示されているか ④税理士など他士業との連携 ⑤通いやすさの5点を、必ず複数の事務所で比べてください。弁護士の広告には日弁連のルールがあり、「専門」や勝訴率をうたえないため、派手な宣伝文句より公表された実績数値と料金表が判断材料になります。
→ 表は横にスクロールできます(事務所名タップで詳細へ)
| 事務所 | 初回相談 | 受付時間 | アクセス | 士業連携 |
|---|---|---|---|---|
弁護士法人心 名古屋法律事務所 | 原則無料 | 平日9-21時・土日祝9-18時 | 名古屋駅 徒歩2分 | あり |
ベリーベスト法律事務所 名古屋オフィス | 初回60分無料※一部除く | 平日10-18時 | 名古屋駅 徒歩5分 | あり |
弁護士法人ロウタス法律事務所 | 要問い合わせ | メール24時間 | 名古屋駅 徒歩約7分 | 要確認 |
アディーレ法律事務所 名古屋支店 | 何度でも無料※一部有料 | 9-22時・土日祝も | 名古屋駅 徒歩9分 | あり |
| 名弁護士法人名古屋総合法律事務所 | 初回60分無料 | 予約受付6-22時 | 丸の内駅 徒歩2分 | あり |
弁護士法人愛知総合法律事務所 | 面談 初回60分無料 | 平日・土日9:30-17:30 | 丸の内駅など 徒歩10分ほど | あり |
弁護士法人心 名古屋法律事務所|名古屋駅徒歩2分・相続の相談は原則無料

弁護士法人心の名古屋法律事務所は、名古屋駅から徒歩2分のロータスビルにあり、相続に関する相談を原則無料で受け付けています。グループ内に税理士法人心があり、遺産分割などの法律問題と相続税の問題を、グループの中でまとめて相談できる体制が特徴です。
弁護士法人心 名古屋法律事務所が候補になるのは、名古屋駅すぐの立地で、遺産分割から相続税まで窓口ひとつで相談したい人です。
受付時間は平日が9時から21時、土日祝も9時から18時までと長めに設定されています。仕事帰りや週末にしか動けない人でも、予約の選択肢を確保しやすい事務所です。
公式サイトには費用の例として、遺産総額2,000万円で争いがないケースの「着手金0円・報酬金130万円+税+実費」が示されています。案件ごとの料金は面談時の見積りで確認する形になるため、依頼前に総額の目安を必ず確認しましょう。
使い方のコツは、法律相談の場で「相続税の申告も必要になりそうか」を同時に聞くことです。グループに税理士法人があるため、税務面の初期的な見立てへの橋渡しがスムーズで、窓口を探し直す手間を省けます。平日21時までの受付は、仕事帰りに名古屋駅で立ち寄れる貴重な選択肢です。
✅ 向いているケース
- 名古屋駅近くで平日夜や土日に相談したい
- 遺産分割と相続税の両方が絡む相談をまとめてしたい
- まず無料で弁護士の見立てを聞きたい
⚠️ 他の相談先が向くケース
- 詳細な料金表を見てから問い合わせたい(費用は個別見積り中心)
- 争いがなく登記だけ済ませたい(司法書士のほうが費用を抑えやすい)
弁護士法人心 名古屋法律事務所の基本情報
| 所在地 | 名古屋市中村区椿町18-22 ロータスビル4F |
|---|---|
| アクセス | 名古屋駅から徒歩2分 |
| 相続の相談料 | 原則無料 |
| 費用の目安 | 公式サイトに費用例あり(遺産総額2,000万円・争いなしで着手金0円・報酬金130万円+税+実費)。個別の見積りで確認 |
| 受付時間 | 平日9時〜21時・土日祝9時〜18時(新規受付) |
| 士業連携 | グループ内の税理士法人心・行政書士法人心と連携 |
受付状況や費用の最新情報は、弁護士法人心 名古屋法律事務所の公式サイトで確認できます。
ベリーベスト法律事務所 名古屋オフィス|全国規模の体制と多士業ワンストップ

ベリーベスト法律事務所は全国にオフィスを展開する大手で、名古屋オフィスは名駅3丁目の大東海ビルにあります。相続の相談は初回60分無料(一部案件を除く)で、弁護士のほか税理士・司法書士・社会保険労務士・弁理士が所属するワンストップ体制が強みです。
ベリーベスト法律事務所 名古屋オフィスが候補になるのは、全国規模の事務所の体制と、税理士など他士業を含めたワンストップ対応を重視したい人です。
相続でもめている場合の交渉・調停だけでなく、相続税申告が必要なケースでもグループ内で連携して対応できます。窓口を分けずに進めたい人に向いた体制です。
公式の相続サイトによると、遺産分割協議の弁護士費用は着手金が税込33万円(交渉10時間まで)のプランと着手金無料のプランがあり、報酬金は経済的利益の16.5%(最低33万円)からです。別途、事務手数料(税込38,500円)がかかる点も確認しておきましょう。
営業時間は平日10時から18時で、夜間・土日の相談は問い合わせが必要です。平日日中に動ける人のほうが予約は取りやすいでしょう。
名古屋オフィスは国際センター駅から徒歩2分と、地下鉄ユーザーにはむしろ最寄りです。費用を比較する際は、着手金・報酬金に加えて事務手数料(税込38,500円)まで含めた総額で他事務所と並べるのが正確です。着手金無料プランを選ぶ場合は、報酬金側の料率をセットで確認しましょう。
✅ 向いているケース
- 全国規模の事務所の安心感を重視したい
- 相続税や登記も含めて窓口を1つにしたい
- 着手金のプランを複数から選びたい
⚠️ 他の相談先が向くケース
- 土日の相談を確実に確保したい(土日は要問い合わせ)
- 地元密着の小規模事務所でじっくり相談したい
ベリーベスト法律事務所 名古屋オフィスの基本情報
| 所在地 | 名古屋市中村区名駅3-22-8 大東海ビル2階 |
|---|---|
| アクセス | 地下鉄名古屋駅から徒歩5分・JR名古屋駅から徒歩7分・国際センター駅から徒歩2分 |
| 相続の相談料 | 初回60分無料(一部案件を除く)。2回目以降は30分税込5,500円 |
| 費用の目安 | 遺産分割協議:着手金税込33万円(交渉10時間まで)または着手金無料プラン、報酬金は経済的利益の16.5%(最低33万円)〜。相続放棄は税込11万円。事務手数料税込38,500円が別途 |
| 受付時間 | 平日10時〜18時(夜間・土日は要問い合わせ) |
| 士業連携 | 弁護士・税理士・司法書士・社会保険労務士・弁理士が所属 |
受付状況や費用の最新情報は、ベリーベスト法律事務所 名古屋オフィスの公式サイトで確認できます。
弁護士法人ロウタス法律事務所|相続の解決実績500件超を公表する地元事務所

ロウタス法律事務所は名駅4丁目にある名古屋の事務所で、公式サイトで相続事件の解決500件超・相続相談2,000件超という実績数値を公表しています。年間の相談件数も600件超と明記されており、相続分野の取扱いの多さを数字で確認できる点が特徴です。
弁護士法人ロウタス法律事務所が候補になるのは、相続分野の実績数値を公表している名古屋の事務所に相談したい人です。
公式サイトによると、相続税に強い税理士事務所と合同勉強会を行っており、税務が絡む相続の相談経験も蓄積されています。
一方で、料金ページは2026年7月時点でメンテナンス中となっており、相談料・着手金などの費用は公式サイトで確認できませんでした。費用感は問い合わせ時に必ず確認してください。メールでの問い合わせは24時間受け付けています。
公表されている実績数値は、他の事務所と比較するときの物差しとして使えます。一方で費用が公開されていないため、初回の問い合わせで「同種事案の費用例」を必ず確認し、費用を公開している事務所の水準と見比べてから決めるのが安全な使い方です。
✅ 向いているケース
- 相続分野の実績を数字で確認して選びたい
- 地元名古屋の事務所に依頼したい
- まずメールで問い合わせたい
⚠️ 他の相談先が向くケース
- 費用を公式サイトで確認してから動きたい(料金は要問い合わせ)
- 土日の窓口対応を重視する(受付時間の公表なし)
弁護士法人ロウタス法律事務所の基本情報
| 所在地 | 名古屋市中村区名駅4-24-8 いちご名古屋ビル2階 |
|---|---|
| アクセス | JR・名鉄・地下鉄「名古屋駅」より徒歩約7分 |
| 相続の相談料 | 公式サイトに記載なし(要問い合わせ) |
| 費用の目安 | 料金ページは2026年7月時点でメンテナンス中のため要問い合わせ |
| 受付時間 | メールは24時間受付(電話受付時間の公表なし) |
| 実績(公式公表) | 相続事件解決500件超・相続相談2,000件超・年間相談600件超 |
受付状況や費用の最新情報は、弁護士法人ロウタス法律事務所の公式サイトで確認できます。
アディーレ法律事務所 名古屋支店|相続の相談が何度でも無料

アディーレ法律事務所の名古屋支店は名古屋ルーセントタワー7階にあり、遺言・遺産相続の相談は何度でも無料です(一部サービスの相談は有料)。受付は朝9時から夜10時まで、土日祝日も対応しており、初回相談のハードルの低さが際立つ事務所です。
アディーレ法律事務所 名古屋支店が候補になるのは、1回の相談で決めきれず、納得できるまで無料で相談を重ねたい人です。
「1回目の相談では状況を整理しきれなかった」という場合でも、無料のまま相談を重ねられるのは大きな安心材料です。依頼するかどうかを急かされずに検討したい人に向いています。
公式の相続費用ページによると、遺産分割の交渉は基本費用税込13.2万円+固定報酬税込30.8万円+変動報酬(経済的利益に応じた段階料率)という構成です。相続放棄は3か月以内の申述で税込5.5万円+報告料税込6.6万円と、項目ごとに料金が定まっています。
「何度でも無料」の価値は、他の事務所で聞いた見立てや見積りを持ち込んで、セカンドオピニオンとして検証できる点にあります。受付は夜10時までと長く、平日夜しか動けない人の最初の一歩に向いています。
✅ 向いているケース
- 何度か無料で相談して納得してから決めたい
- 夜間や土日祝しか時間が取れない
- 料金体系が項目ごとに明示されている事務所がよい
⚠️ 他の相談先が向くケース
- 名古屋駅直近の立地を最優先したい(徒歩9分)
- 地元密着型の事務所を好む
アディーレ法律事務所 名古屋支店の基本情報
| 所在地 | 名古屋市西区牛島町6-1 名古屋ルーセントタワー7F |
|---|---|
| アクセス | JR名古屋駅から徒歩9分 |
| 相続の相談料 | 遺言・遺産相続の相談は何度でも無料(一部サービスの相談は有料) |
| 費用の目安 | 遺産分割(交渉):基本費用税込13.2万円+固定報酬税込30.8万円+変動報酬。調停は基本税込24.2万円+固定報酬税込41.8万円。相続放棄(3か月以内)税込5.5万円+報告料税込6.6万円 |
| 受付時間 | 朝9時〜夜10時・土日祝日も受付 |
| 士業連携 | 弁護士・司法書士が在籍。協力税理士などと連携 |
受付状況や費用の最新情報は、アディーレ法律事務所 名古屋支店の公式サイトで確認できます。
弁護士法人名古屋総合法律事務所|相続の相談件数を毎月公開・初回60分無料

名古屋総合法律事務所は丸の内駅徒歩2分に本拠を置き、金山・一宮・岡崎にも事務所を持つ地元の事務所です。相続専用サイトを運営し、年間約200件以上の相続相談を受けていること、月別の相談件数を2012年から公開していることが、透明性の面で目を引きます。
弁護士法人名古屋総合法律事務所が候補になるのは、相談実績の透明性と、税理士まで含めたグループ対応を地元事務所に求めたい人です。
初回相談は60分まで無料で、61分以降は10分ごとに税込1,833円、2回目以降は30分まで税込5,500円と、時間単位の料金が明確です。予約の受付は平日・土日祝とも朝6時から夜10時までと幅広く設定されています。
弁護士費用は、遺産分割の協議・調停・審判で着手金が税込22万〜77万円、報酬金は経済的利益の10%〜4%(最低60万〜80万円)と公式サイトに明記されています。相続放棄は税込11万円です。同じグループに税理士法人名古屋総合パートナーズがあり、相続税申告まで一体で相談できます。
相談件数を月別に公開し続けるのは珍しい取り組みで、相続分野の稼働を外から確認できます。名古屋市中心部以外に住んでいる場合は、金山・一宮・岡崎の事務所を使えるかを予約時に確認すると、通う負担を減らせます。
✅ 向いているケース
- 費用体系と実績が公式サイトで確認できる事務所がよい
- 丸の内・金山・一宮・岡崎の拠点を使いたい
- 相続税の申告もグループでまとめたい
⚠️ 他の相談先が向くケース
- 名古屋駅直結の立地を最優先したい
- 深夜メールだけで完結させたい
弁護士法人名古屋総合法律事務所の基本情報
| 所在地 | 名古屋市中区丸の内2-20-25 メットライフ名古屋丸の内ビル6階(ほか金山・一宮・岡崎) |
|---|---|
| アクセス | 地下鉄鶴舞線・桜通線 丸の内駅4番出口から徒歩2分 |
| 相続の相談料 | 初回60分無料(61分以降は10分ごとに税込1,833円・2回目以降は30分まで税込5,500円) |
| 費用の目安 | 遺産分割(協議・調停・審判):着手金税込22万〜77万円・報酬金は経済的利益の10%〜4%(最低60万〜80万円)。相続放棄は税込11万円 |
| 受付時間 | 予約受付は平日・土日祝6時〜22時 |
| 士業連携 | グループの税理士法人名古屋総合パートナーズ・司法書士事務所と連携 |
受付状況や費用の最新情報は、弁護士法人名古屋総合法律事務所の公式サイトで確認できます。
弁護士法人愛知総合法律事務所|県内多拠点・税理士や司法書士も在籍

愛知総合法律事務所は丸の内の本部のほか、新瑞橋・藤が丘など愛知県内に複数の拠点を持つ事務所です。相続の面談相談は初回60分無料で、オンラインや電話でも約20分まで無料で相談できます。税理士・司法書士・社会保険労務士が事務所内に在籍し、弁護士と共同で対応する体制です。
弁護士法人愛知総合法律事務所が候補になるのは、名古屋市外の拠点も含め、通いやすい場所で総合的に相談したい人です。
遺産分割の弁護士費用は、着手金が税込22万〜44万円、報酬金は経済的利益の12%(1,000万円以下の部分)〜4%(3億円超の部分)で最低税込22万円と、公式料金ページに明記されています。相続放棄は1人税込11万円、遺言書作成は定型で税込16.5万円です。
受付は平日だけでなく土日も9時30分から17時30分まで開いています。自宅の近くの拠点で相談したい人や、平日に休みが取れない人でも使いやすい体制です。
新瑞橋や藤が丘などの拠点は、名古屋市東部・南部の在住者には都心へ出るより通いやすい選択肢です。まずオンライン・電話の約20分無料枠で相談すべき案件かを仕分けし、本格的な相談は面談の60分無料枠を使う、という2段活用ができます。
✅ 向いているケース
- 自宅近くの拠点で対面の相談をしたい
- 土日の日中に相談したい
- 事務所内の税理士・司法書士とまとめて進めたい
⚠️ 他の相談先が向くケース
- 夜間(18時以降)の相談枠がほしい
- オンラインだけで完結させたい(オンライン無料は約20分まで)
弁護士法人愛知総合法律事務所の基本情報
| 所在地 | 名古屋市中区丸の内3-2-29 ヤガミビル4〜6階(本部)ほか県内複数拠点 |
|---|---|
| アクセス | 丸の内駅・久屋大通駅・名古屋城駅から徒歩10分ほど |
| 相続の相談料 | 面談は初回60分無料(オンライン・電話は約20分まで無料) |
| 費用の目安 | 遺産分割:着手金税込22万〜44万円・報酬金は経済的利益の12%〜4%(最低税込22万円)。相続放棄1人税込11万円・遺言書作成(定型)税込16.5万円 |
| 受付時間 | 平日・土日 9時30分〜17時30分 |
| 士業連携 | 税理士・司法書士・社会保険労務士が在籍し弁護士と共同対応 |
受付状況や費用の最新情報は、弁護士法人愛知総合法律事務所の公式サイトで確認できます。
なお、名古屋で法律相談先を探す方法としては、各事務所への直接問い合わせのほか、日本弁護士連合会の弁護士検索や、愛知県弁護士会の法律相談センター(前述)も使えます。
遺留分を侵害されたら|1年の時効に注意
「全財産を長男に相続させる」といった遺言があっても、配偶者・子・直系尊属には遺留分という最低限の取り分が法律で保障されています(兄弟姉妹にはありません)。侵害された分は、金銭の支払いを相手に請求できます(遺留分侵害額請求)。
注意すべきは時効です。請求できる権利は、相続の開始と侵害を知った時から1年で消滅します。内容証明郵便での意思表示など、時効を止める初動が重要になるため、遺言の内容に不満を感じたら早めに弁護士へ相談してください。
なお、遺留分の割合は原則として法定相続分の2分の1(直系尊属のみが相続人の場合は3分の1)です。「請求できる金額がいくらか」の計算には財産評価が絡むため、初回相談で概算の見立てを聞くのが第一歩です。
弁護士に相談すべき7つのサイン
「うちは争うほどの財産じゃないから」というためらいが、いちばん危険です。司法統計上、遺産分割でもめる事案の多くはごく普通の家庭の、実家と預貯金程度の相続です(裁判所の司法統計年報・家事編参照)。次のサインが1つでもあれば、無料相談だけでも受けておく価値があります。
- 相続人の誰かが財産の全体像を開示しない(通帳を見せない・実家に住み続けて話を避ける)
- 生前の介護・同居の貢献をめぐる不満がある(寄与分の主張は感情的対立になりやすい)
- 特定の子だけが生前贈与を受けていた(特別受益の持ち戻しが争点化しやすい)
- 遺言の内容が極端(1人にすべて相続させる等。遺留分の請求には1年の時効)
- 実家しか財産がない(分けられない財産は代償金か売却かで対立しやすい)
- 相続人に疎遠な人・連絡の取れない人がいる
- 前妻・前夫との間の子や認知した子がいる
これらは時間が経つほど解決コストが上がる類型ばかりです。「もめてから」ではなく「サインが見えたら」が、弁護士相談の正しいタイミングです。
調停・審判になったら費用と期間はどう変わる?
弁護士選びでは、協議で済むか、調停まで行くかの見立てが費用と期間を大きく左右します。協議(話し合い)段階で解決すれば数か月で済むこともありますが、調停に進むと月1回程度の期日を重ねるため、1年以上かかるケースも珍しくありません。
費用面では、多くの事務所が交渉と調停で着手金・報酬の水準を分けています。掲載事務所の公表例でも、交渉より調停の基本費用が高く設定されています。つまり、早い段階で依頼して協議でまとめるほうが、結果的に安い構造です。
調停でもまとまらない場合は審判に移行し、裁判所が法定相続分を基礎に分け方を決めます。手続きの全体像は裁判所の遺産分割調停の案内で確認できます。
弁護士への依頼はこう進む|相談から解決まで
初めて弁護士に相談する人向けに、依頼の流れを整理します。ポイントは、無料相談の段階では依頼義務がないこと。2〜3か所の初回相談を受けてから決めても失礼にはあたりません。
- 予約:電話またはWebフォームで「相続の相談」と伝え、初回無料の条件(時間・対象)を確認
- 初回相談:関係図・財産リストを見せ、見立て(争点・見通し・概算費用)を聞く
- 見積り・委任契約:着手金・報酬金の計算方法と「何に対する%か」を書面で確認して契約
- 交渉・調停:以後の相手方とのやり取りは弁護士が窓口。本人は方針判断に集中
- 解決・精算:遺産分割協議書の締結や調停成立後、経済的利益に基づき報酬金を精算
費用を抑えるコツは3つあります。①争いが小さいうちに動く(協議段階で解決すれば調停・審判より安い)、②資料を自分で揃えて調査の手間を減らす、③複数の見積りを取り、報酬の計算基準を比べることです。
相続税申告に強い名古屋の税理士法人5か所

相続税の申告は、税理士なら誰でも同じではありません。医師に内科と外科があるように、税理士にも法人税中心・相続税中心という得意分野の違いがあり、土地の評価や特例の使い方ひとつで納税額が数十万円単位で変わることがあります。
見るべきは①相続税申告の件数 ②遺産規模別の報酬表 ③書面添付制度への対応 ④税務調査への備え ⑤土地評価の経験の5点です。ここでは、こうした数値・体制を公式サイトで公表している名古屋の税理士法人を、名古屋駅エリア→丸の内→栄エリアの順(順不同)で紹介します。
→ 表は横にスクロールできます(事務所名タップで詳細へ)
| 事務所 | 相談料 | 基本報酬の目安 | 受付 | アクセス |
|---|---|---|---|---|
VSG相続税理士法人 名古屋オフィス | 無料 | 税込14.3万円〜 | 9-21時・土日祝も | 名古屋駅 徒歩5分 |
| 名税理士法人名南経営 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 平日9-18時 | JR名古屋駅 徒歩3分 |
| 名税理士法人名古屋総合パートナーズ | 無料 | 税込11万円〜のプランあり | 平日・土曜(電話6-22時) | 丸の内駅 徒歩2分 |
税理士法人チェスター 名古屋事務所 | 初回面談無料 | 税込22万円〜(遺産1億円まで) | 9-20時・土日祝可 | 栄駅 徒歩3分 |
名古屋総合税理士法人(相続税のクロスティ) | 無料(1時間超は別途) | 公式料金表あり | 土曜営業あり | 栄駅 出口すぐ |
VSG相続税理士法人 名古屋オフィス|申告実績3,532件(2025年・法人全体)

VSG相続税理士法人(旧ベンチャーサポート相続税理士法人)は、2025年の相続税申告実績3,532件(法人全体)を公表する相続税の大手です。名古屋オフィスは名古屋駅から徒歩5分のメイフィス名駅ビルにあり、相談は無料、受付は朝9時から夜9時まで土日祝も対応しています。
VSG相続税理士法人 名古屋オフィスが候補になるのは、実績規模と夜間・土日対応の両方を名古屋駅近くで求めたい人です。
基本報酬は遺産総額4,000万円までで税込14.3万円、1億円までで税込52.8万円と、遺産規模に応じた料金表が公式サイトに明示されています。書面添付制度を利用した申告に対応している点も特徴です。
グループに司法書士・行政書士・社会保険労務士がおり、相続登記や年金関係の手続きも一体で依頼できます。申告期限が迫っているケースの相談にも夜間枠が使いやすい事務所です。
遺産総額4,000万円までの低額帯(税込14.3万円)が明示されているため、「基礎控除をわずかに超えそう」という境界層の申告を頼みやすい料金構造です。問い合わせが月700件以上と多いため、申告期限が近い場合は早めの予約が無難です。
✅ 向いているケース
- 実績件数の多い大手に申告を任せたい
- 平日夜や土日にしか動けない
- 登記などの手続きもまとめて頼みたい
⚠️ 他の相談先が向くケース
- 担当者を長年変えずに世代をまたいで付き合いたい(地場の老舗が候補)
- 対面よりも完全オンラインを希望する
VSG相続税理士法人 名古屋オフィスの基本情報
| 所在地 | 名古屋市中村区名駅4-26-25 メイフィス名駅ビル12階 |
|---|---|
| アクセス | 名古屋駅より徒歩5分 |
| 相談料 | 無料 |
| 基本報酬 | 遺産総額〜4,000万円:税込14.3万円/〜1億円:税込52.8万円/3億円以上:個別見積り |
| 受付時間 | 9時〜21時(土日祝も対応) |
| 実績(公式公表) | 2025年の相続税申告実績3,532件(法人全体)・月間問い合わせ700件以上 |
受付状況や費用の最新情報は、VSG相続税理士法人 名古屋オフィスの公式サイトで確認できます。
税理士法人名南経営|累計3,000件以上の申告実績を持つ名古屋の老舗

名南経営はJPタワー名古屋33階に相続・事業承継の部門を置く、名古屋の老舗税理士法人です。相続分野で長年の実績を持ち、年間約200件・累計3,000件以上の申告実績を公式サイトで公表しています。
税理士法人名南経営が候補になるのは、地元名古屋で長年の実績がある老舗に相続税申告を任せたい人です。
名南コンサルティングネットワークとして弁護士・司法書士など各分野の専門家とチームを組む体制があり、事業承継や不動産が絡む複雑な相続にも対応しやすいのが特徴です。
一方で、相談料や報酬額は公式サイトに記載がなく、問い合わせて確認する必要があります。受付は平日9時から18時までのため、平日に時間を取れる人向きです。
JPタワー名古屋はJR名古屋駅直結に近い動線で、雨でもほぼ濡れずに通えます。自社株や事業用資産が絡む相続・事業承継では、グループのコンサルティング部門を含めた総合力が活きます。料金は非公開のため、初回面談で見積りと進め方を必ず確認してください。
✅ 向いているケース
- 地元で歴史のある事務所に任せたい
- 会社の株式や事業承継が絡む相続を相談したい
- 複数の専門家によるチーム対応を求める
⚠️ 他の相談先が向くケース
- 料金表を見てから問い合わせたい(公式に記載なし)
- 土日にしか動けない(受付は平日のみ)
税理士法人名南経営の基本情報
| 所在地 | 名古屋市中村区名駅1-1-1 JPタワー名古屋33階 |
|---|---|
| アクセス | JR名古屋駅徒歩3分(2階デッキより貫通通路) |
| 相談料 | 公式サイトに記載なし(要問い合わせ) |
| 基本報酬 | 公式サイトに記載なし(要問い合わせ) |
| 受付時間 | 電話受付は平日9時〜18時 |
| 実績(公式公表) | 年間約200件・累計3,000件以上の申告実績 |
受付状況や費用の最新情報は、税理士法人名南経営の公式サイトで確認できます。
税理士法人名古屋総合パートナーズ|相談無料・弁護士グループと一体運営

名古屋総合パートナーズは、弁護士法人名古屋総合法律事務所と同じグループの税理士法人です。丸の内の同じビルに入り、金山・一宮・岡崎にも相談拠点があります。相続税申告の相談は無料で、打ち合わせにも料金はかからないと公式サイトに明記されています。
税理士法人名古屋総合パートナーズが候補になるのは、弁護士と同じグループで、もめる可能性も見据えながら申告を進めたい人です。
料金は、通常プランの基本報酬が税込27.5万円〜のほか、低料金プラン(税込11万円〜)や、納税額が出ない申告向けの「相続税額0特別プラン」(遺産7,000万円以下で税込22万円)など、状況別のプランが公開されています。税務調査の際の立会いは日当税込6.6万円です。
申告書の信頼性を高める書面添付(税理士法33条の2)がプランに含まれている点、遺産分割でもめた場合に同グループの弁護士へ引き継げる点は、他にない組み合わせです。
「相続税額0特別プラン」は、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例で納税額がゼロになる見込みでも申告が必要、という層にちょうど合う設計です。手続き中にもめる兆しが出たら、同グループの弁護士へすぐ引き継げる点は他の税理士法人にない保険になります。
✅ 向いているケース
- もめる火種があり弁護士との連携を確保しておきたい
- 納税額ゼロ見込みの申告を安く済ませたい
- 電話相談の受付時間が長い事務所がよい(6〜22時)
⚠️ 他の相談先が向くケース
- 申告件数の実績数値で選びたい(公式に件数記載なし)
- 名古屋駅直近の立地を最優先したい
税理士法人名古屋総合パートナーズの基本情報
| 所在地 | 名古屋市中区丸の内2-20-25 メットライフ名古屋丸の内ビル6階(ほか金山・一宮・岡崎に相談センター) |
|---|---|
| アクセス | 地下鉄丸の内駅4番出口から徒歩2分 |
| 相談料 | 無料(打ち合わせ料金なし) |
| 基本報酬 | 通常プラン税込27.5万円〜・低料金プラン税込11万円〜・相続税額0特別プラン:遺産7,000万円以下税込22万円/超は税込33万円 |
| 受付時間 | 平日9時〜18時30分・土曜9時〜17時45分(電話相談受付は6時〜22時) |
| 士業連携 | 弁護士法人名古屋総合法律事務所・司法書士事務所とグループ一体運営 |
受付状況や費用の最新情報は、税理士法人名古屋総合パートナーズの公式サイトで確認できます。
税理士法人チェスター 名古屋事務所|年間申告3,076件・税務調査率約1%

チェスターは相続税を中心業務とする全国大手で、名古屋事務所は栄駅から徒歩3分にあります。法人全体で年間3,076件(令和7年実績)の相続税申告を手がけ、税務調査率は約1%と公表しています。原則すべての申告に、税務署への説明書類を添付する書面添付制度を適用しているのが品質面の裏付けです。
税理士法人チェスター 名古屋事務所が候補になるのは、税務調査への備えと申告品質を、実績数値で確認して選びたい人です。
基本報酬は遺産総額1億円までで税込22万〜60.5万円、1億〜1.5億円で税込77万円という遺産規模別の料金表が公開されています。土地の評価(1利用区分あたり税込6.6万円)などの加算項目も明示されており、見積りの根拠を確認しやすい体系です。
グループに司法書士法人と法律事務所(CST法律事務所)があり、登記や紛争対応への引き継ぎも可能です。受付は9時から20時まで、土日祝の相談にも対応しています。
遺産規模別の料金表と加算項目が細かく公開されているため、他の事務所の見積りが妥当かを測る基準としても使えます。相続専門の税理士が多数在籍する体制(法人全体で100名超と公表)のため、土地評価が複雑な案件ほど相性がよいでしょう。
✅ 向いているケース
- 税務調査の可能性をできるだけ下げたい
- 土地など不動産の評価が複雑な相続税申告を頼みたい
- 料金表と実績を見比べて選びたい
⚠️ 他の相談先が向くケース
- 名古屋駅周辺で探している(最寄りは栄・伏見)
- 小規模な遺産で費用を最小限にしたい場合は他の低料金プランとの比較を
税理士法人チェスター 名古屋事務所の基本情報
| 所在地 | 名古屋市中区栄3-2-3 名古屋日興證券ビル6階 |
|---|---|
| アクセス | 栄駅サカエチカS8出口より徒歩3分・伏見駅4番出口より徒歩6分 |
| 相談料 | 初回面談無料 |
| 基本報酬 | 遺産総額〜1億円:税込22万〜60.5万円/1億〜1.5億円:税込77万円(土地1利用区分税込6.6万円などの加算あり) |
| 受付時間 | 9時〜20時(土日祝も対応可) |
| 実績(公式公表) | 年間相続税申告3,076件(令和7年・法人全体)・税務調査率約1%・原則全案件に書面添付 |
受付状況や費用の最新情報は、税理士法人チェスター 名古屋事務所の公式サイトで確認できます。
相続税のクロスティ(名古屋総合税理士法人)|税務署出身の税理士が在籍

クロスティは昭和47年創業の名古屋総合税理士法人が運営する相続税サービスで、栄駅セントラルパーク10A出口すぐのビルにあります。在籍する税理士10名のうち3名が税務署出身で、税務署側の視点を踏まえた申告・調査対応が特徴です。累計の相続申告は800件以上と公表されています。
名古屋総合税理士法人(相続税のクロスティ)が候補になるのは、税務署側の視点を知る税理士に、調査対応まで見据えて任せたい人です。
相談は無料で、相続税が発生するかどうかの診断や手続きの質問にも無料で応じるとされています(1時間の無料相談を超える場合は別途報酬)。土曜営業があり、電話・メールの問い合わせは24時間受け付けています。
報酬は遺産規模別の料金表が公式サイトに掲載されています。書面添付はオプション扱いのため、税務調査への備えを重視する場合は見積り時にオプションの要否を確認しましょう。無料駐車場があり、車での来所がしやすい点も名古屋では実用的です。
中心部で無料駐車場を備えた事務所は多くなく、郊外から車で動く人には有力な候補になります。書面添付がオプション扱いのため、税務調査への備えを重視するなら、見積り時にオプション込みの総額で比較しましょう。
✅ 向いているケース
- 税務署出身者の視点で調査リスクを詰めたい
- 車で通える事務所を探している
- まず相続税がかかるかどうかの診断から始めたい
⚠️ 他の相談先が向くケース
- 書面添付を標準で含む体系がよい(クロスティはオプション)
- 名古屋駅周辺で探している
名古屋総合税理士法人(相続税のクロスティ)の基本情報
| 所在地 | 名古屋市中区錦3-15-15 CTV錦ビル5階・7階(無料駐車場完備) |
|---|---|
| アクセス | 地下鉄栄駅セントラルパーク10A出口すぐ |
| 相談料 | 無料(相続税が発生するかの診断・手続きの質問も無料。1時間を超える場合は別途報酬) |
| 基本報酬 | 遺産規模別の料金表を公式サイトに掲載(書面添付・税務調査立会いはオプション) |
| 受付時間 | 土曜営業あり・電話メールは24時間365日受付 |
| 実績(公式公表) | 創業45年以上・累計相続申告800件以上・税理士10名中3名が税務署出身 |
受付状況や費用の最新情報は、名古屋総合税理士法人(相続税のクロスティ)の公式サイトで確認できます。
名古屋に通える事務所がない、外出が難しいという場合は、オンライン・全国対応の税理士法人レガシィ(公式サイト)のような相続中心の事務所も選択肢になります。また、一般的な税の疑問は名古屋税理士会の相談窓口でも確認できます。
申告が必要か迷ったら|ざっくり判定の3ステップ
税理士に相談すべきか自体が分からない、という人は、次の3ステップで申告の要否のあたりを付けてください。正確な判定ではなく、無料面談に行くべきかの仕分けです。
- 法定相続人の数を数える:配偶者と子2人なら3人 → 基礎控除は3,000万円+600万円×3=4,800万円
- 財産をざっくり合計する:実家は固定資産税納税通知書の評価額を目安に、預貯金・株式・生命保険(非課税枠あり)・生前贈与も加える
- 基礎控除の8割を超えたら税理士へ:土地の評価方法で結果が変わる境界層のため、無料面談で確認する価値あり
判定の根拠となる基礎控除の正確な仕組みは国税庁タックスアンサーNo.4152で確認できます。「8割ルール」で早めに動くのは、10か月の申告期限から逆算すると、資料集めと土地評価に数か月かかるためです。
自分で申告する選択肢はあり?
財産が預貯金中心で特例も使わない単純なケースなら、自分で申告する人もいます。実際の経験者の声も参考になります。
税理士のアドバイスを受けながら自分で相続税申告するプラン(79,200円)と、税理士への依頼一律385,000円を比較検討しました。相続税がかかるかどうか、という程度の財産なら自分で申告する形式でもよいかもしれないという意見でした。
※口コミより・2021-11(要旨)
相続税申告を税理士に依頼中、電子申告のためにe-Taxの識別番号とパスワードの提供を求められて不安になりました。今後の申告情報がすべて見えてしまう点を指摘され、手続き終了後にパスワードを変更するよう勧められました。
※口コミより・2023-11(要旨)
ただし、土地がある・特例を使う・生前贈与がある場合の自力申告は、評価誤りや特例の適用漏れで損をするリスクが大きくなります。境界層こそ、無料面談で「自分でやれる案件か」を聞くのが結局は近道です。
相続税申告で税理士に渡す資料リスト
税理士への依頼をスムーズにするのは、資料の揃い具合です。完璧でなくて構いませんが、初回面談までに手元にあるものを集めておくと、見積りと納期の精度が上がります。
| 分類 | 主な資料 |
|---|---|
| 身分関係 | 被相続人の出生から死亡までの戸籍・相続人全員の戸籍と住民票(法定相続情報一覧図があれば1枚で代替可) |
| 不動産 | 固定資産税納税通知書・登記事項証明書・名寄帳 |
| 金融資産 | 死亡日時点の残高証明書・過去数年分の通帳(生前の資金移動の確認用)・証券会社の取引残高報告書 |
| 保険・退職金 | 生命保険の支払通知書・退職金の支払明細 |
| 債務・葬式費用 | 借入残高証明・医療費や葬儀費用の領収書(債務控除の対象) |
| 贈与関係 | 贈与契約書・贈与税の申告書控え(生前贈与の持ち戻し確認用) |
とくに過去の通帳は重要です。税務調査で最も見られるのが生前の資金移動のため、先に税理士と一緒に整理しておくことが最大の調査対策になります。
小規模宅地等の特例|名古屋の持ち家世帯の最重要特例
愛知の課税割合が高い最大の理由は宅地の評価額です。それを大きく左右するのが小規模宅地等の特例で、要件を満たす自宅の土地は330㎡まで評価額を80%減額できます。
例えば評価額4,000万円の自宅土地に特例が使えれば、課税上は800万円まで下がり、基礎控除内に収まって納税額がゼロになるケースも珍しくありません。ただし、誰が相続するか(配偶者・同居親族・いわゆる家なき子)や居住の継続など、要件の判定が複雑です。
重要なのは、特例で税額がゼロになる場合でも申告が必要という点です。申告を怠ると特例自体が使えず、本来ゼロだった税額を丸ごと納めることになりかねません。自宅の相続がある人は、この特例の適用可否だけでも税理士の無料面談で確認する価値があります。
二次相続まで見据えた分け方|配偶者にすべて、は要注意
相続税で最も見落とされるのが二次相続(残された配偶者が亡くなったときの相続)です。一次相続では配偶者の税額軽減(1億6,000万円または法定相続分まで非課税)が強力なため、「とりあえず全部母に」で税額ゼロにできるケースが多くあります。
しかし二次相続では配偶者の税額軽減が使えず、基礎控除も相続人が減った分だけ小さくなるため、一次で寄せすぎると二次相続の税負担が跳ね上がることがあります。一次・二次の合計で最も負担が小さくなる分け方は、シミュレーションでしか分かりません。
この試算こそ、相続税に注力する税理士の無料面談で聞くべきテーマです。「二次相続まで含めた試算をしてもらえますか」という質問は、事務所の力量を測るリトマス紙にもなります。
相続税の税務調査はどれくらい来る?備え方の基本
相続税は、申告後に税務調査が入る可能性がある税目です。調査になると申告漏れを指摘され、追徴税額に加算税・延滞税が上乗せされることがあります。とくに預貯金の動き(生前の引き出し・家族名義の口座)は重点的に見られるポイントです。
備え方の基本は2つです。第一に、財産調査の段階で「名義預金」(実質は被相続人の財産である家族名義口座)を隠さず整理すること。第二に、書面添付制度に対応した税理士に依頼することです。掲載事務所では、書面添付を原則全案件に適用し税務調査率約1%と公表する例(チェスター)もあります。
相続登記・書類手続きの司法書士・行政書士4か所

もめていない相続の実務を担うのが司法書士と行政書士です。とくに相続登記は義務化により、放置という選択肢がなくなりました。義務化前に相続した不動産の猶予期限(2027年3月31日)まで1年を切りつつあるいま、名古屋でも駆け込みの依頼が増えやすい局面です。
掲載は名古屋駅エリア→丸の内→栄エリアの順(順不同)です。司法書士は登記の報酬体系、行政書士は「できる範囲」を正しく理解して選びましょう。
→ 表は横にスクロールできます(事務所名タップで詳細へ)
| 事務所 | 相談料 | 費用の目安 | 受付 | アクセス |
|---|---|---|---|---|
司法書士法人ひびきグループ | 無料 | 名義変更 税込14.08万円〜 | 年中無休9-20時 | 名古屋駅 徒歩7分/緑区 |
| 名名古屋総合司法書士事務所 | 初回無料 | 相続登記 税込5.5万円〜 | 電話6-22時 | 丸の内駅 徒歩2分 |
| ハ司法書士ハットリ・リーガル・オフィス | 無料相談あり(予約制) | タイムチャージ制 | 平日9-20時・土日9-18時 | 矢場町駅 徒歩1分 |
行政書士法人心 名古屋行政書士事務所 | 原則無料 | 要見積り | 平日9-21時・土日祝9-18時 | 名古屋駅 徒歩2分 |
司法書士法人ひびきグループ|年中無休・夜8時まで相談できる

ひびきグループは名駅ファーストビル(名古屋駅徒歩7分)と緑区の2拠点を持つ司法書士法人で、行政書士法人を併設しています。相談は無料、年中無休で朝9時から夜8時まで対応しており、平日日中に動けない人でも予定を合わせやすいのが最大の特徴です。
司法書士法人ひびきグループが候補になるのは、仕事を休まずに、夜間や休日に相続登記の相談を済ませたい人です。
グループが運営する相続サイトによると、不動産の名義変更サポートは遺産1,000万円未満で税込140,800円〜、遺産整理まで含む相続手続き一式のサポートは税込217,800円〜、相続放棄のサポートは基本税込8.8万円という料金プランが示されています。
相続登記だけでなく家族信託にも対応しています。登記と併せて預貯金の解約などの手続きも一括で頼みたい場合に、行政書士部門との併設が活きます。
年中無休で夜8時まで開いている司法書士法人は多くありません。名駅と緑区の2拠点体制のため、市南東部(緑区・天白区方面)の在住者は緑オフィスのほうが通いやすいでしょう。登記だけでなく預貯金解約まで含む一式プランの範囲を予約時に確認すると、見積り比較がしやすくなります。
✅ 向いているケース
- 土日や夜間に相談したい
- 登記と預貯金解約などをまとめて頼みたい
- 名古屋市南東部(緑区方面)在住で近くの拠点がよい
⚠️ 他の相談先が向くケース
- 遺産分割でもめている(司法書士は交渉代理不可のため弁護士へ)
- 料金は本体公式サイトだけで確認したい(料金はグループ運営サイト掲載)
司法書士法人ひびきグループの基本情報
| 所在地 | 名駅オフィス:名古屋市中村区名駅4-26-10 名駅ファーストビル5階/緑オフィス:名古屋市緑区 |
|---|---|
| アクセス | 名古屋駅より徒歩7分(名駅)・徳重駅より車3分(緑) |
| 相談料 | 無料 |
| 費用の目安 | 不動産名義変更サポート:遺産1,000万円未満 税込140,800円〜/相続手続き一式サポート:税込217,800円〜/相続放棄サポート:基本税込8.8万円(2人目以降1人税込4.4万円) |
| 受付時間 | 年中無休 朝9時〜夜8時(土日祝・夜間対応) |
| 士業連携 | 行政書士法人を併設 |
受付状況や費用の最新情報は、司法書士法人ひびきグループの公式サイトで確認できます。
名古屋総合司法書士事務所|相続登記 税込5.5万円〜・弁護士グループと連携

名古屋総合司法書士事務所は、名古屋総合法律事務所グループの司法書士部門です。相続登記の報酬が税込5.5万円〜、遺産分割協議書の作成が税込2.2万円〜と、費用の目安が公式サイトに明示されています。初回相談と見積りは無料です。
名古屋総合司法書士事務所が候補になるのは、登記費用の目安を先に確認し、もめたら弁護士に引き継げる体制がほしい人です。
公式サイトには事例別の総額例(約15万〜29万円)も掲載されています。登録免許税(固定資産税評価額の0.4%)と戸籍取得などの実費が別にかかることまで書かれており、総額のイメージを持ってから依頼できます。
同じグループに弁護士と税理士がいるため、手続きを進める途中で相続人の間に争いが生じた場合や、相続税申告が必要と分かった場合に、グループ内で引き継げるのが安心材料です。フリーダイヤルの受付は平日・土日祝とも6時から22時までです。
報酬だけでなく事例別の総額例(実費込み)まで公開している透明性が、この事務所を比較の起点にしやすい理由です。手続きの途中で相続人間に争いが生じた場合、同グループの弁護士に引き継げるため、「たぶんもめないが不安は残る」ケースの受け皿に向いています。
✅ 向いているケース
- 登記費用の相場観を先に確認したい
- 争いに発展する可能性が少しでもある
- 金山・一宮・岡崎の相談センターを使いたい
⚠️ 他の相談先が向くケース
- 夜8時以降の面談を希望する(受付は電話)
- 名古屋駅直近の立地を最優先したい
名古屋総合司法書士事務所の基本情報
| 所在地 | 名古屋市中区丸の内(金山・一宮・岡崎に相談センター) |
|---|---|
| アクセス | 地下鉄丸の内駅4番出口から徒歩2分 |
| 相談料 | 初回相談無料・見積り無料 |
| 費用の目安 | 相続登記:税込5.5万円〜/遺産分割協議書作成:税込2.2万円〜/事例別総額例:約15万〜29万円(登録免許税=評価額の0.4%と実費は別途) |
| 受付時間 | フリーダイヤル受付は平日・土日祝6時〜22時(土曜相談に柔軟対応) |
| 士業連携 | 名古屋総合グループの弁護士・税理士と連携 |
受付状況や費用の最新情報は、名古屋総合司法書士事務所の公式サイトで確認できます。
司法書士ハットリ・リーガル・オフィス|栄エリア・年間相談300件超

ハットリ・リーガル・オフィスは栄ガスビル4階にある司法書士事務所で、矢場町駅から徒歩1分、栄駅から徒歩3分という栄エリアの立地です。グループの相続相談サイトでは年間の相続相談件数が300件を超えると紹介されており、完全予約制の無料相談(面談・電話・Zoom)を受け付けています。
司法書士ハットリ・リーガル・オフィスが候補になるのは、栄・矢場町エリアで、相続に注力する司法書士へじっくり相談したい人です。
受付は平日が9時から20時、土日も9時から18時までと幅広く、時間外は24時間の留守番電話で対応しています。相続アドバイザー協議会認定のアドバイザーが在籍し、税理士・弁護士等とのグループ運営で幅広い相談に対応する体制です。
報酬はタイムチャージを基本としており、具体的な料金表はWeb上で公開されていません。依頼前に見積りで総額を確認するようにしましょう。
タイムチャージ制は、シンプルな案件なら割安になる一方、複雑な案件では総額が読みにくくなります。無料相談の段階で「私のケースの総額見込み」を必ず確認し、定額制の事務所の見積りと並べて判断するのがよい使い方です。Zoom・電話相談に対応しているため、遠方や多忙な人の初回相談にも使えます。
✅ 向いているケース
- 栄・矢場町エリアで相談したい
- Zoomや電話での無料相談から始めたい
- 個人事務所らしいきめ細かさを求める
⚠️ 他の相談先が向くケース
- 料金表を先に確認したい(タイムチャージ基本で公表なし)
- 名古屋駅周辺で探している
司法書士ハットリ・リーガル・オフィスの基本情報
| 所在地 | 名古屋市中区栄3-15-33 栄ガスビル4階 |
|---|---|
| アクセス | 栄駅6・16番出口徒歩3分/矢場町駅6番出口徒歩1分 |
| 相談料 | 無料相談あり(完全予約制。関連サイトでは初回60分無料と案内) |
| 費用の目安 | タイムチャージを基本(具体額は見積りで確認) |
| 受付時間 | 平日9時〜20時・土日9時〜18時(時間外は24時間留守電) |
| 士業連携 | 税理士・弁護士等とのグループ運営・相続アドバイザー在籍 |
受付状況や費用の最新情報は、司法書士ハットリ・リーガル・オフィスの公式サイトで確認できます。
行政書士法人心|争いのない相続手続きを名古屋駅前で・相談は原則無料

行政書士法人心は、弁護士法人心と同じ名古屋駅徒歩2分のビルに入る行政書士事務所です。戸籍の収集や遺産分割協議書の作成、預貯金の解約といった「争いのない相続手続き」の相談を原則無料で受け付けています。
行政書士法人心 名古屋行政書士事務所が候補になるのは、争いのない預貯金解約や書類収集を、駅前で気軽に頼みたい人です。
行政書士が扱えるのは争いのない書類作成・手続きまでですが、心グループの場合は、登記が必要になれば提携先、もめれば弁護士法人心、相続税は税理士法人心と、状況の変化にグループ内で対応できるのが強みです。
受付時間は平日9時から21時、土日祝も9時から18時までで、夜間・土日祝の相談は予約が必要です。料金の具体額は公式サイトのテキストでは確認できなかったため、見積りで確認してください。
注意点は、行政書士には相続登記の申請ができないことです。不動産が含まれる場合は、最初から司法書士か、グループ経由での切り替えを前提に相談しましょう。逆に不動産がなく、戸籍収集や金融機関の手続きが中心なら、駅前立地と長い受付時間を活かせる便利な窓口です。
✅ 向いているケース
- もめていない相続の手続きだけ頼みたい
- 名古屋駅前で夜間・休日に相談したい
- 状況が変わったときにグループ内で引き継いでほしい
⚠️ 他の相談先が向くケース
- 相続登記そのものを頼みたい(登記申請は司法書士・弁護士の業務)
- 紛争になっている(行政書士は関与できないため弁護士へ)
行政書士法人心 名古屋行政書士事務所の基本情報
| 所在地 | 名古屋市中村区椿町18-22 ロータスビル4F |
|---|---|
| アクセス | 名古屋駅から徒歩2分 |
| 相談料 | 相続手続きの相談は原則無料(一部例外あり) |
| 費用の目安 | 公式サイトに具体額のテキスト記載なし(見積りで確認) |
| 受付時間 | 平日9時〜21時・土日祝9時〜18時(夜間・土日祝は要予約) |
| 士業連携 | グループ内の弁護士法人心・税理士法人心と連携 |
受付状況や費用の最新情報は、行政書士法人心 名古屋行政書士事務所の公式サイトで確認できます。
相続登記を自分でやる手順|名古屋法務局への申請5ステップ
相続人が少なく争いがないなら、相続登記の自力申請は十分に現実的です。費用は登録免許税(固定資産税評価額の0.4%)と書類の実費のみで、司法書士報酬の5万〜十数万円を節約できます。
- 固定資産税納税通知書で対象不動産を確認(評価額から登録免許税を計算。1,000万円の評価なら4万円)
- 戸籍一式と住民票を収集(2024年3月からの広域交付で、最寄りの市区町村窓口でまとめて請求可能)
- 遺産分割協議書を作成し全員が実印を押す(印鑑証明書を添付)
- 登記申請書を作成(法務局サイトの様式・記載例を利用)
- 名古屋法務局(管轄の支局・出張所)へ申請(窓口・郵送・オンライン。補正の連絡に対応できるようにしておく)
途中で詰まったら、名古屋法務局の無料登記相談(司法書士対応・予約制)で確認できます。逆に、相続人が多い・先代の名義のまま・遺産分割がまとまらない場合は、時間を浪費する前に司法書士へ切り替えるのが賢明です。
法定相続情報一覧図を作ると手続きが一気に楽になる
意外と知られていない便利制度が、法務局の法定相続情報一覧図です。戸籍一式と相続関係をまとめた図を法務局に提出すると、認証付きの一覧図の写しを無料で必要な枚数交付してもらえます。
これがあると、銀行・証券会社・保険会社・税務署などの手続きのたびに戸籍の束を出し直す必要がなくなり、複数の手続きを並行で進められます。金融機関が3つ以上あるなら、作る手間を上回る時短効果が見込めます。
申出は名古屋法務局などの法務局で無料ででき、司法書士・行政書士に作成ごと依頼することも可能です。相続登記とセットで頼めば、追加の手間はほとんどありません。
司法書士と行政書士、結局どちらに頼む?判断フロー
「書類の手続きだけ」の相続で迷いがちな2士業ですが、判断基準は明快です。不動産が1つでもあるなら司法書士。登記は行政書士には頼めないため、不動産ありで行政書士に依頼すると、登記だけ別途司法書士を探すことになります。
- 不動産あり→ 司法書士(登記とあわせて預貯金解約などもまとめて依頼できる事務所が多い)
- 不動産なし・書類多数→ 行政書士も候補(戸籍収集・協議書・金融機関手続きを定額で)
- 相続放棄をしたい→ 司法書士(家裁提出書類の作成支援)か弁護士(代理まで)
- 途中でもめてきた→ どちらもストップし、弁護士へ引き継ぎ
名古屋では司法書士事務所の多くが行政書士業務を併設(またはグループ化)しており、司法書士側に頼めば行政書士領域もカバーされる構図が一般的です。迷ったら司法書士側から相談するのが安全といえます。
祖父母名義のまま放置された実家がある人へ|数次相続の注意
名古屋近郊で意外に多いのが、登記が祖父母の代のまま止まっている不動産です。この場合、祖父母の相続人(おじ・おば、その子)全員が関係者になる数次相続となり、関係者が数十人に膨らむこともあります。
数次相続は、時間が経つほど相続人が増えて急速に解決が難しくなるのが特徴です。関係者に高齢の方がいるうちに動くのが鉄則で、戸籍の収集量も多くなるため、自力よりも司法書士への依頼が現実的です。
義務化前の相続分も2027年3月31日の猶予期限の対象です。「実家の登記、誰の名義だっけ?」と思ったら、まず登記事項証明書を法務局で取って現状を確認することから始めてください。
そのほかの選択肢|行政書士法人・信託銀行など
上で紹介した事務所のほかにも、名古屋には相続を扱う窓口があります。依頼内容が明確な人向けに、タイプの異なる選択肢を挙げておきます。
| 名称 | 種別 | 特徴(公式サイトの記載より) |
|---|---|---|
| 行政書士法人エベレスト | 行政書士 | 東区葵。初回相談無料・年間2,000件超の新規相談実績を公表。5士業グループのワンストップ体制 |
| 税理士法人レガシィ | 税理士 | 名古屋の常設拠点はないが、オンライン・全国対応で相続を中心に扱う老舗。初回面談無料 |
| 三菱UFJ信託銀行(相続・遺産整理サービス) | 信託銀行 | 名古屋市内に店舗あり。相続・遺言・遺産整理の相談は無料。遺産整理業務や遺言信託(商品名)を提供。紛争対応・登記申請・税務申告の代理は不可で、必要時は各士業と連携する仕組み |
相続手続きの流れと期限|3か月・10か月・3年の壁

相続の手続きには、法律で決められた期限が段階的に待ち構えています。相談のタイミングを誤ると選択肢そのものが消えるため、この章の期限だけは正確に押さえてください。
とくに影響が大きいのは3か月・10か月・3年の3つです。いずれも起点は「死亡日」ではなく自分が相続の開始(や不動産の取得)を知った日を基準に数えます。
| 期限 | 手続き | 内容 |
|---|---|---|
| 3か月以内 | 相続放棄・限定承認の申述 | 家庭裁判所へ。過ぎると借金も含めて相続(単純承認)(出典:裁判所・相続放棄の申述) |
| 4か月以内 | 準確定申告 | 亡くなった方のその年の所得税を申告(出典:国税庁タックスアンサー) |
| 10か月以内 | 相続税の申告・納税 | 基礎控除を超える場合。特例を使うなら税額ゼロでも申告(出典:国税庁タックスアンサーNo.4205) |
| 3年以内 | 相続登記(義務) | 不動産の取得を知った日から。怠ると10万円以下の過料の対象(出典:法務省Q&A) |
全体の流れ|死亡直後から名義変更まで
- 死亡届・葬儀・年金などの届出(死亡後おおむね14日以内の手続きを含む。名古屋市の窓口手続きは市の案内ページ参照)
- 遺言書の有無を確認(自筆の遺言書は家庭裁判所の検認が必要な場合あり。公正証書遺言は公証役場で検索できる)
- 相続人と相続財産の調査(戸籍の収集・預貯金や不動産・借金の洗い出し)
- 相続放棄するかの判断(3か月以内)
- 遺産分割協議(全員の合意で分け方を決め、遺産分割協議書を作成)
- 相続税の申告・納税(10か月以内)
- 不動産・預貯金などの名義変更(相続登記は3年以内の義務)
戸籍の収集は2024年3月から広域交付制度が始まり、本籍地が遠くても最寄りの市区町村窓口でまとめて請求できるようになりました。以前より自分で集めるハードルは下がっています。
相続手続きの全体チェックリスト14項目
細かい手続きの抜け漏れは、後から気づくと取り返しに時間がかかります。全体像を先に見るためのチェックリストとして使ってください。
- 死亡届の提出(7日以内・通常は葬儀社が代行)
- 健康保険・年金の資格喪失手続き(14日以内目安)
- 世帯主変更・介護保険・公共料金などの名義変更
- 遺言書の有無の確認(公証役場の検索・法務局保管制度の照会)
- 相続人の確定(出生から死亡までの戸籍収集)
- 財産・借金の調査(不動産・預貯金・株式・保険・信用情報)
- 相続放棄・限定承認の判断(3か月以内)
- 準確定申告(4か月以内・必要な場合)
- 遺産分割協議・協議書の作成
- 相続税の申告・納税(10か月以内・必要な場合)
- 預貯金・証券の解約・名義変更
- 相続登記(3年以内・義務)
- 生命保険金・死亡退職金の請求(受取人から請求)
- 遺族年金・高額療養費など請求漏れの確認
すべてを自分で抱える必要はありません。期限のあるもの(放棄・申告・登記)を軸に、残りは専門家への依頼と並行で進めるのが現実的です。
四十九日までにやることカレンダー
実務上、相続の動き出しの目安になるのが四十九日です。それまでに次の3つを済ませておくと、期限のある手続きに余裕を持って入れます。
- 〜14日目安:死亡届(通常は葬儀社が代行)・健康保険や年金の資格喪失・世帯主変更など市区町村の手続き(名古屋市の案内参照)
- 〜四十九日:遺言書の有無の確認・相続人の把握・財産の手がかり集め(通帳・権利証・保険証券・郵便物)
- 四十九日後すぐ:借金の有無を確認し、疑いがあれば相続放棄の検討(期限3か月)。並行して無料相談の予約
香典返しや法要と重なって慌ただしい時期ですが、「遺品の郵便物を捨てない」ことだけは徹底してください。金融機関・保険・借金の督促など、財産調査の手がかりの大半は郵便物から見つかります。
相続財産の調査方法|どこに何を照会するか
遺産分割も税額計算も、財産の全体像がつかめないと始まりません。名古屋で実務上使う照会先を財産の種類別に整理します。
| 財産の種類 | 調査方法 |
|---|---|
| 不動産 | 市役所・区役所で「名寄帳」を請求すると、その市区町村内の所有不動産を一覧できる。評価額は固定資産税納税通知書・評価証明書で確認 |
| 預貯金 | 各金融機関に残高証明書を請求(相続人単独で請求可能)。通帳・キャッシュカード・郵便物が手がかり |
| 株式・投資信託 | 証券会社からの郵便物・電子交付メールを確認。取引先が不明なら証券保管振替機構(ほふり)へ開示請求 |
| 生命保険 | 保険証券・引き落とし履歴を確認。契約の有無は生命保険契約照会制度でまとめて照会できる |
| 借金・保証 | 信用情報機関(CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター)へ開示請求。督促状・カード類も手がかり |
| デジタル資産 | ネット銀行・ネット証券・暗号資産など。スマホやメールの通知が唯一の手がかりになることも多い |
借金の調査は相続放棄の判断(3か月)に直結するため最優先です。プラスの財産より先にマイナスの財産から調べるのが、相続調査の鉄則です。
相続放棄の3か月|借金があるなら最優先
亡くなった方に借金や保証債務の可能性があるなら、相続放棄の3か月が最優先の期限です。申述先は被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で、名古屋圏では名古屋家庭裁判所が窓口になります。
申述自体の費用は収入印紙800円+郵便切手と少額です(出典:裁判所・相続放棄の申述)。ただし、遺産の一部を使ってしまうと放棄が認められなくなるおそれがあるため、借金の疑いがある段階で財産に手を付けず、早めに弁護士か司法書士に相談してください。
相続放棄をしても残る「保存義務」に注意
相続放棄をすれば借金は引き継ぎませんが、2023年の民法改正により、放棄の時点で遺産の建物などを現に占有していた人には、次の管理者に引き渡すまでの保存義務が残ります(民法940条)。
たとえば実家に同居していた人が放棄した場合、家を放置してよいわけではありません。管理の負担が重いときは、相続財産清算人の選任などの出口も含めて、放棄の相談時に「放棄した後どうなるか」まで確認しておきましょう。
財産と借金のどちらが多いか分からないとき
3か月以内に判断がつかないグレーゾーンには、2つの対処があります。ひとつは熟慮期間の伸長で、家庭裁判所に申し立てれば3か月の期限を延ばせる場合があります。もうひとつは限定承認で、相続財産の範囲内でのみ借金を引き継ぐ方法です。
ただし限定承認は相続人全員で申し立てる必要があり、税務上のみなし譲渡の問題もあるため、実務では利用が多くありません。グレーゾーンに入ったと感じた時点で、弁護士に「伸長・放棄・限定承認のどれか」を相談するのが現実的です。
相続人と法定相続分の基本|誰が・どれだけ
手続きの前提として、誰が相続人になるかは民法で順位が決まっています。配偶者は常に相続人で、それに加えて第1順位が子、第2順位が親などの直系尊属、第3順位が兄弟姉妹です(民法・e-Gov法令検索)。
| 相続人の組み合わせ | 法定相続分 |
|---|---|
| 配偶者と子 | 配偶者 1/2・子 1/2(子が複数なら人数で等分) |
| 配偶者と親(子がいない) | 配偶者 2/3・親 1/3 |
| 配偶者と兄弟姉妹(子も親もいない) | 配偶者 3/4・兄弟姉妹 1/4 |
| 配偶者のみ/子のみ | その人(たち)がすべて相続 |
ただし法定相続分は合意できないときの物差しであって、全員が合意すればどんな割合で分けても構いません。また、亡くなった子の子(孫)が代わりに相続する代襲相続や、先妻の子・認知した子の存在など、戸籍を取って初めて分かる事情も珍しくありません。
遺産分割協議の進め方|全員参加・全員合意が絶対条件
遺言書がない場合、遺産の分け方は相続人全員の合意で決めます。1人でも欠けた協議は無効なので、まず戸籍で相続人を確定させることが出発点です。
合意できたら遺産分割協議書を作成し、全員が実印を押して印鑑証明書を添付します。この書面が、その後の登記・預貯金解約・相続税申告すべての土台になります。書式の不備でやり直しにならないよう、不動産の表記は登記事項証明書のとおりに写すのが鉄則です。
協議がまとまらないときは、名古屋家庭裁判所での遺産分割調停に進みます。調停は調停委員を介した話し合いで、それでも決まらなければ審判で裁判所が分け方を決めます(出典:裁判所・遺産分割調停)。
遺言書があった場合の流れ
遺言書が見つかったら、まず種類を確認します。公正証書遺言と法務局保管の自筆証書遺言はそのまま使えますが、自宅保管の自筆証書遺言は家庭裁判所の検認が必要です。封印があるものを勝手に開封してはいけません。
遺言の内容が特定の相続人に偏っていても、配偶者や子には遺留分(最低限の取り分)があります。遺留分を侵害された場合の請求(遺留分侵害額請求)には知った時から1年の時効があるため、不満がある場合は早めに弁護士へ相談してください。
当面の生活費・葬儀費用に困ったら|預貯金の仮払い制度
亡くなった方の口座は、金融機関が死亡を把握した時点で凍結され、遺産分割が終わるまで原則動かせません。ただし2019年施行の民法改正で、遺産分割前でも一定額まで単独で払い戻せる仮払い制度が使えるようになりました(民法909条の2。条文はe-Gov法令検索)。
払い戻せるのは、相続開始時の預貯金残高×3分の1×自分の法定相続分(同一金融機関ごとに上限150万円)までです。葬儀費用や当面の生活費に充てられますが、使い方によっては相続放棄に影響する場合があるため、放棄を検討中の人は先に専門家へ確認してください。
放置リスクは年々重くなっている|10年ルールと住所変更登記
「そのうち話し合えばいい」という先送りには、近年のルール改正で明確なペナルティが付きました。2023年4月施行の民法改正により、相続開始から10年を過ぎると、遺産分割で特別受益(生前贈与など)や寄与分(介護の貢献など)の主張が原則できなくなります(民法904条の3。条文はe-Gov法令検索・民法)。
また2026年4月からは、不動産所有者の住所・氏名の変更登記も義務化され、変更から2年以内に登記しないと5万円以下の過料の対象になりました。相続登記とあわせて、不動産の登記情報を放置しないことが標準になっています。
どうしても3年以内に遺産分割がまとまらない場合は、相続人申告登記という簡易な申出で登記義務を一旦果たす制度があります(出典:法務省Q&A)。ただし正式な名義変更ではないため、売却などには結局、遺産分割と相続登記が必要です。
相続相談・依頼の費用相場|士業別の料金構造

費用への不安は、相談をためらう最大の理由です。しかし実際には料金の決まり方=構造さえ分かれば、見積りの妥当性は自分で判断できます。士業ごとに構造がまったく違う点がポイントです。
以下は、本記事で紹介した名古屋の事務所が公式サイトで公表している料金をもとにした目安です。事案の複雑さで変わるため、必ず個別の見積りで総額を確認してください。
弁護士費用|着手金+報酬金の二段構え
弁護士費用は、依頼時に払う着手金と、解決時に成果へ連動する報酬金の二段構えが基本です。報酬金は経済的利益(取得できた遺産の額など)の◯%という決まり方をするため、遺産が大きいほど総額も大きくなります。
| 項目 | 掲載事務所の公表値の目安 |
|---|---|
| 初回相談 | 無料〜(60分無料が主流。愛知県弁護士会の相談は30分5,500円) |
| 遺産分割の着手金 | 税込22万〜77万円(掲載事務所の公表レンジ。着手金0円プランの事務所もあり) |
| 遺産分割の報酬金 | 経済的利益の4〜16.5%程度(最低額の設定あり。事務所・遺産規模で大きく変動) |
| 相続放棄 | 税込5.5万〜11万円程度(別途の報告料など加算がある事務所も) |
| 遺言書作成 | 定型で税込16.5万円〜など |
税理士報酬|遺産総額に応じた基本報酬+加算
相続税申告の税理士報酬は、遺産総額に応じた基本報酬に、土地の評価(1利用区分ごと)や相続人の数などの加算報酬が乗る構造です。一般に遺産総額の0.5〜1%程度が相場感といわれますが、掲載事務所の公表値では次のとおりです。
| 遺産規模・項目 | 掲載事務所の公表値の目安 |
|---|---|
| 遺産総額 4,000万円まで | 税込14.3万円前後〜(低料金プランは税込11万円〜の例も) |
| 遺産総額 1億円まで | 税込22万〜60.5万円程度(事務所により幅) |
| 遺産総額 1億〜1.5億円 | 税込77万円前後 |
| 土地の評価加算 | 1利用区分あたり税込6.6万円前後 |
| 税務調査の立会い | 日当税込6.6万円前後・またはオプション扱い |
注意したいのは、報酬の安さだけで選ぶと土地評価の精査や書面添付が省かれて、納税額や調査リスクで損をすることがある点です。報酬と申告品質はセットで比べてください。
司法書士・行政書士の費用|定額に近いが実費に注意
相続登記の司法書士報酬は、掲載事務所の公表値で税込5.5万円〜が入口です。ここに登録免許税(固定資産税評価額の0.4%)と戸籍取得などの実費が加わるため、総額の目安は約15万〜29万円という事例が公表されています。
預貯金解約なども含む「相続手続き一式」型のサポートは税込21.8万円前後から、不動産の名義変更のみのサポートなら税込14万円前後からという料金プランが公表されています。行政書士への書類作成依頼は項目ごとの定額制が中心です。
費用を抑えたい場合、登記を自分で申請する選択肢もあります。名古屋法務局の無料登記相談で難易度を確認し、単純なケースは自分で、複雑なら依頼と切り分けるのが合理的です。
依頼する場合でも、戸籍や住民票を自分で集めて持ち込むと、取得代行の手数料分だけ費用を抑えられることがあります。広域交付制度(2024年3月〜)のおかげで、自分での収集は以前よりずっと簡単です。見積り時に「自分で集めたらいくら安くなるか」を聞いてみてください。
費用は誰が払う?遺産から出せるかの整理
見落とされがちな論点が、専門家費用の負担者です。原則は「依頼した人が払う」であり、当然に遺産から出せるわけではありません。
- 相続税申告・相続登記など全員の利益になる手続き:相続人全員の合意のうえで、遺産(相続財産)から支出する扱いにするのが一般的。協議書や精算書に明記しておくとトラブルを防げる。
- 遺産分割の弁護士費用:自分の代理人の費用は自分の負担。相手方に請求することは原則できない。
- 葬儀費用・未払医療費:相続税の計算上は債務控除の対象になるものがあり、領収書の保管が重要。
依頼前に「この費用は誰の負担か」を他の相続人と共有しておくと、手続き後の精算でもめる二次トラブルを避けられます。
納税資金が足りないときの選択肢
相続税は原則、現金一括納付です。名古屋のように財産が実家(不動産)に偏っているケースでは、「税金はかかるのに現金がない」という事態が起こりえます。
選択肢は主に3つです。①延納(担保を立てて分割払い。利子税がかかる)、②物納(延納でも困難な場合に不動産等で納める。要件は厳格)、③不動産の売却(10か月の期限から逆算した売却スケジュールが必要)。いずれも要件と手続きが複雑なため、税理士への早期相談が前提になります。
なお、生命保険金は受取人固有の財産として遺産分割を経ずに受け取れるため、納税資金の当てにできる場合があります。保険の有無の確認は財産調査の初期に済ませておきましょう。
見落としがちな実費一覧|報酬以外に必ずかかるお金
士業の報酬とは別に、手続きには誰に頼んでも必ずかかる実費があります。見積り比較の前提として、主な実費を押さえておきましょう。
| 実費の項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 登録免許税(相続登記) | 固定資産税評価額の0.4% | 評価額2,000万円の実家なら8万円 |
| 戸籍謄本・除籍謄本 | 1通450円〜750円 | 相続人確定には出生から死亡までの連続した戸籍が必要 |
| 住民票・印鑑証明書 | 1通200〜400円程度 | 協議書には相続人全員の印鑑証明書を添付 |
| 固定資産評価証明書 | 1通200〜400円程度 | 登記と相続税申告で使用 |
| 相続放棄の申述 | 収入印紙800円+郵便切手 | 申述人1人あたり |
| 遺産分割調停の申立て | 収入印紙1,200円+郵便切手 | 被相続人1人あたり |
| 公正証書遺言の作成手数料 | 財産額に応じた公証人手数料 | 公証役場で作成する場合 |
裁判所関係の正確な費用は相続放棄・遺産分割調停の各案内ページで確認できます。実費は見積書で「含む・含まない」が分かれやすいため、総額比較の際は必ず切り分けて確認してください。
見積書のチェックポイント5つ|比較の物差しを揃える
複数の事務所から見積りを取っても、項目の切り方が違うと比較になりません。次の5点を揃えて確認すると、実質的な比較ができます。
- 総額の見込み:着手金・基本報酬だけでなく「解決・完了時に合計いくらか」を書面で
- %の対象:報酬が「経済的利益の◯%」なら、何を経済的利益として数えるか
- 加算条件:土地の筆数・相続人の数・調停移行などで、いくら加算されるか
- 実費の範囲:登録免許税・戸籍取得費・交通費などの実費が含まれるか別か
- 中途解約時の精算:途中で方針が変わった場合、支払済みの費用がどうなるか
この5点を聞いて嫌がる・曖昧にする事務所は、その時点で候補から外してよいでしょう。誠実な事務所ほど、費用説明は具体的です。
相談前の準備と、体験談から学ぶ注意点

同じ30分の相談でも、準備の有無で得られる答えの質は段違いです。実際に相続を経験した人の声から、つまずきやすいポイントと対策を整理します。
経験者の声|依頼して良かったこと・後悔したこと
まず、専門家に依頼する価値がいちばん分かるのは紛争を経験した人の声です。Q&Aサイトには次のような体験談が投稿されています。
相続裁判で弁護士に依頼しました。費用はかかりますがストレスは本当にありません。相手方の書類を自分で見る必要がなく、険悪な親戚と直接顔を合わせずに済むのが一番楽です。揉めていないなら司法書士などでもよいですが、調停・裁判の代理は弁護士だけです。
※口コミより・2017-10(要旨)
遺産総額3,000万円の遺産分割調停で、弁護士から着手金80万円・成功報酬160万円を提示されました。想定していた100万円程度を大きく超え、交渉で約100万円まで下がったものの、申立て後に費用の説明があったことで信頼できなくなり、依頼を打ち切るつもりです。
※口コミより・2009-11(要旨)
土地1,200万円相当と預金約600万円の相続を司法書士法人に相談したところ、回答では「司法書士に相場はない」と言われ、報酬引き上げの基準も不透明だと指摘されました。複数の事務所から見積もりを取ることにしました。
※口コミより・2020-12(要旨)
良かった側の声は「相手と直接やり取りしなくて済む精神的な楽さ」に集中し、後悔した側の声は「費用の説明が遅い・想定を超えた」に集中しています。つまり、依頼の満足度は最初の見積りと費用説明の丁寧さでほぼ決まると言えます。
「自分でやる」を選んだ人の声と、その限界
相続登記は法務局に行けば自分でもできて、申請そのものは簡単でした。ただ、必要書類の準備がハードルで、相続人が多い場合の遺産分割協議書の作成や戸籍謄本の収集はかなり手間だと感じました。
※口コミより・2023-02(要旨)
接点のなかった叔父の死後、司法書士から相続人として同意を求める手紙が届き戸惑いました。遺産分割協議書に署名する「遺産放棄」と、3か月以内に家庭裁判所へ申述する「相続放棄」は別物で、借金の有無をまず確認するよう助言されました。
※口コミより・2023-02(要旨)
遺産分割調停で相手方が資産価値のある絵画を死亡後に売却した疑いがあり、嘘をついている場合の対処を相談しました。相手の嘘が判明しても特段有利になるわけではなく、相手の主張が認められないだけだと説明されました。
※口コミより・2023-07(要旨)
相続登記を自分で済ませた人は「申請自体は簡単、書類集めが大変」と口をそろえます。相続人が少なく争いのないケースでは、自分でやる+無料登記相談の活用は現実的な選択肢です。
一方で、調停まで進んだケースや、相続人が多く協議書への押印集めが必要なケースでは、素人対応の限界がはっきり出ています。「簡単そうに見えるか」ではなく「関係者が多いか・対立があるか」で自分でやるかを判断してください。
業者選びの注意|「無料」と「資格」の落とし穴
「無料相談センター」を信用してよいか相談したところ、無料で得られる情報には限りがあり、背後の専門家集団への契約の導入部になっているという説明を受けました。知識が少ないまま利用するのは避けたほうが賢明との意見でした。
※口コミより・2016-12(要旨)
土地6か所を含む相続税申告を税理士事務所に依頼して1か月、土地の評価額を示してもらえず、3回訪問しても「相続鑑定士」の肩書の同じ人しか出てこず、税理士本人と話せていません。回答では詐欺に近い形態だと警告されました。
※口コミより・2026-05(要旨)
注意したいのは、資格のない「相続コンサルタント」「相続鑑定士」等を名乗る業者の存在です。税務相談は無償でも税理士(税理士法)、紛争への対応は弁護士(弁護士法)の独占業務であり、無資格者が入り込む余地はありません。
- 面談で資格者本人(税理士・弁護士など)が出てこない事務所は避ける。
- 「無料相談センター」型の窓口は、誰が運営し、どこへ取り次ぐのかを確認してから使う。
- 見積りは書面で・総額でもらう。追加費用の発生条件も文書で確認する。
相続相談のよくある失敗7つ|先回りで避ける
窓口や事務所への相談で「もったいない使い方」をしてしまう人には共通パターンがあります。事前に知っていれば避けられる失敗ばかりです。
- 期限ぎりぎりに動く:放棄3か月・申告10か月は、資料集めの時間を含めると想像より短い。四十九日が済んだら動き出すのが目安。
- 財産リストなしで相談に行く:概算すら出せず、一般論だけ聞いて終わる。手書きメモで十分なので必ず持参。
- 士業の守備範囲を誤解する:司法書士に交渉を、行政書士に登記を頼もうとして断られ、時間をロスする。
- 「無料」の条件を確認しない:2回目から有料、時間超過で課金などの条件を知らず、想定外の請求に驚く。
- 1か所だけで即決する:費用体系は事務所差が大きい。最低2か所の見積り比較が鉄則。
- 他の相続人に相談したことを隠す:代理人が付いたことは早晩伝わる。伝え方も含めて専門家に相談するほうが得策。
- 不利な事実を隠して相談する:生前贈与や使い込みの事実を隠すと、見立てそのものが狂う。守秘義務があるので正直に。
他の相続人への伝え方|疑心暗鬼を生まない段取り
専門家への相談を自分だけ隠れて進めると、他の相続人の警戒心を招き、まとまる話もまとまらなくなることがあります。争いになっていない段階なら、オープンに進めるのが原則です。
- 手続き系(登記・申告)の依頼:「期限があるから専門家に頼む」と共有し、費用を遺産から出すか各自負担かも先に合意しておく。
- 見積り・報告の共有:書面をそのまま共有すると透明性が保たれ、「勝手に決めた」という不満を防げる。
- すでに対立がある場合:逆に、弁護士への相談は交渉戦略に関わるため共有は不要。伝えるタイミングも含めて弁護士と相談を。
口コミでも、もめた事案の多くは情報の非対称(誰かだけが財産を把握している状態)が引き金になっています。財産一覧の共有は、争い予防のいちばん安い保険です。
相談当日の持ち物と伝え方
- 亡くなった方の情報(氏名・死亡日・最後の住所。分かれば戸籍謄本)
- 相続人の関係図(手書きのメモで十分。誰が存命か・連絡が取れるか)
- 財産のリスト(不動産の固定資産税納税通知書・預貯金・保険・借金の一覧)
- 遺言書の有無(見つかっている場合は現物またはコピー。開封はしない)
- 聞きたいことメモ3点(費用の総額・期間・自分がやるべきこと)
相続人の1人が代表して相談してもいい?
情報収集段階の相談は、相続人の1人が代表して受けて問題ありません。ただし、弁護士に遺産分割の依頼をする段階では注意が必要です。弁護士は利害が対立する複数の相続人の代理を同時にはできないため、「全員分をまとめて」は原則できません。
一方、相続税申告や相続登記は相続人全員の共同手続きにできるため、代表者が窓口になって全員分を進めるのが一般的です。誰が窓口になるかを先に決めておくと、手続きが滞りません。
電話・オンライン相談を使うときのポイント
掲載事務所の多くは電話・Zoom等での相談にも対応しています。移動時間が要らない半面、書類を画面越しに確認しづらいのが弱点です。固定資産税納税通知書などの主要書類は、事前にスマホで撮影して送れるように準備しておくとスムーズです。
また、オンラインでは無料時間が対面より短い事務所もあります(例:面談60分無料・オンライン20分無料)。予約時に無料の条件を確認したうえで、込み入った事案は対面に切り替えましょう。
相談後の決め方|2か所比較シートのすすめ
無料相談を2か所以上受けたら、印象で決めずに同じ項目で並べて比較しましょう。メモすべきは次の5項目だけです。
- 見立て:争点・想定される展開・期間の見通しをどう説明したか
- 総額:解決までの費用総額の見込み(実費・加算条件込み)
- 担当:実際に担当する資格者は誰か・面談に本人が出たか
- 説明のわかりやすさ:専門用語を言い換えてくれたか・質問を急かさなかったか
- 連絡手段と頻度:進捗報告の方法(メール・電話・面談)と目安
相続の依頼は数か月〜1年以上の付き合いになります。説明が分かりやすい相手を選ぶことは、単なる好みではなく、後の意思決定の質に直結する実利です。
名古屋の相続相談でよくある質問
- 名古屋で相続の相談を無料でできる場所はどこですか?
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名古屋市の市民相談室・区役所の無料法律相談(20分・予約制)、愛知県司法書士会の総合相談センター(初回1時間無料)、法テラス(資力基準を満たせば3回まで無料)、名古屋法務局の無料登記相談などがあります。
多くの弁護士・税理士事務所も初回相談を無料にしています。窓口の相談で悩みを仕分けし、事務所の無料相談で具体的な見積りを取る2段構えがおすすめです。
- 相続の相談は弁護士と司法書士のどちらにすべきですか?
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相続人の間に争いがある・ありそうなら弁護士、争いがなく不動産の名義変更や書類手続きが中心なら司法書士が適しています。
遺産分割の交渉や調停の代理は、金額にかかわらず弁護士にしかできません。司法書士は登記と家庭裁判所へ提出する書類の作成支援が中心です。
- 相続税の相談だけ無料でしたいのですが可能ですか?
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本記事で紹介した名古屋の相続税に注力する税理士法人の多くは、初回面談を無料としています。相続税がかかるかどうかの診断から無料で受け付ける事務所もあります。
なお、税務相談は無料であっても税理士の独占業務です。税理士資格のない「相続コンサルタント」等への税務相談は避けてください。
- 相続税はいくらの遺産からかかりますか?
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基礎控除「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超える場合に申告が必要です。相続人3人なら4,800万円が目安です(国税庁タックスアンサーNo.4152)。
愛知県では令和6年分の課税割合が16.2%と全国平均(10.4%)より高く、名古屋市内に持ち家があると基礎控除を超えるケースは珍しくありません。
- 相続の手続きには期限がありますか?
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主な期限は、相続放棄が3か月以内、準確定申告が4か月以内、相続税の申告・納税が10か月以内(いずれも知った日基準)、相続登記が3年以内です。
義務化前に相続した不動産の登記の猶予期限は2027年3月31日です。放置すると10万円以下の過料の対象になり得ます。
- 相続登記は自分でもできますか?
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可能です。名古屋法務局への申請で、登録免許税(固定資産税評価額の0.4%)と書類の実費だけで済みます。法務局では司法書士による無料登記相談(予約制)も利用できます。
ただし、相続人が多い場合や、祖父母名義のまま放置された不動産(数次相続)は書類が複雑になるため、司法書士への依頼が現実的です。
- 弁護士費用はどれくらいかかりますか?
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掲載事務所の公表値では、遺産分割の着手金が税込22万〜77万円(着手金0円プランの事務所もあり)、報酬金は経済的利益の4〜16.5%程度です。
総額は遺産規模と争いの程度で大きく変わります。初回無料相談で必ず総額の見込みを見積書で確認してください。
- もめていない相続でも専門家に頼む意味はありますか?
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あります。相続税の特例の適用判断、不動産の評価、期限管理など、もめていなくても間違えると金銭的な損につながる論点が多いためです。
また、手続きを進める途中で対立が表面化するケースもあります。火種がありそうなら、弁護士の初回無料相談で見立てを聞いておくと安全です。
- 土日や夜間に相談できる名古屋の事務所はありますか?
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あります。本記事の掲載事務所では、土日祝も受け付ける弁護士事務所(受付〜22時の例も)や、年中無休・夜8時までの司法書士法人、夜9時まで受け付ける税理士法人などが公式サイトで受付時間を公表しています。
受付時間と実際の面談枠は異なる場合があるため、予約時に確認してください。
- 遺産分割で兄弟ともめています。まず何をすべきですか?
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感情的な直接交渉を止め、弁護士の初回相談で「協議・調停・審判のどの段階にあるか」の見立てを聞くことが先決です。交渉の代理は弁護士にしかできません。
協議がまとまらない場合は、名古屋家庭裁判所での遺産分割調停に進みます。調停の手続きは裁判所の公式サイトで確認できます。
- 相続放棄を考えています。注意点はありますか?
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期限(知った時から3か月)と、遺産に手を付けないことの2点が重要です。遺産の一部を使うと放棄が認められなくなるおそれがあります。
申述先は被相続人の最後の住所地の家庭裁判所(名古屋圏は名古屋家庭裁判所)で、費用は収入印紙800円+郵便切手です。借金の調査と並行して早めに専門家へ相談してください。
- 信託銀行の相続サービスと士業への依頼はどう違いますか?
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信託銀行の遺産整理業務は窓口を一本化できる半面、紛争対応・登記申請・税務申告そのものは信託銀行にはできず、提携する士業への取り次ぎになります。
同じ内容を士業へ直接依頼した場合の費用と比較したうえで、どちらが自分に合うか判断するのがよいでしょう。
- 相続人に認知症の人や行方不明の人がいる場合はどうなりますか?
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遺産分割協議は全員の合意が必要なため、判断能力を欠く相続人がいる場合は成年後見人の選任、行方不明者がいる場合は不在者財産管理人の選任などを家庭裁判所に申し立てることになります。
手続きが複雑で時間もかかるため、このパターンに当てはまったら早めに弁護士か司法書士へ相談してください。
- 遺言書の作成は誰に相談すればよいですか?
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遺言の内容に法的な争いの予防を織り込みたいなら弁護士、不動産の承継が中心なら司法書士、定型的な内容の文案作成なら行政書士が受け皿になります。公正証書遺言にする場合は最終的に公証役場で作成します。
自筆証書遺言は法務局の保管制度を使うと、紛失・改ざんの心配や死後の検認手続きを避けられます。
- 名古屋市外(一宮・岡崎など)在住でも名古屋の事務所に頼めますか?
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頼めます。本記事の掲載事務所には、金山・一宮・岡崎などに相談拠点を持つところや、電話・オンライン相談に対応するところがあります。
なお、相続登記の申請先は不動産の所在地を管轄する法務局、相続放棄の申述先は亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。依頼先の事務所の所在地とは関係なく決まります。
- 生命保険金は遺産分割の対象になりますか?
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受取人が指定された生命保険金は、原則として受取人固有の財産であり、遺産分割の対象にはなりません。相続放棄をしても受け取れるのが原則です。
ただし相続税の計算上は「みなし相続財産」として課税対象になります(500万円×法定相続人の数の非課税枠あり)。分け方と税金で扱いが違う点に注意してください。
- 親が認知症になる前に相談したほうがよいですか?
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はい。判断能力が失われた後では、遺言書の作成も生前贈与も家族信託もできなくなり、選択肢が成年後見制度にほぼ限られます。
元気なうちであれば、遺言・贈与・家族信託などから最適な組み合わせを設計できます。生前対策は「早すぎる」ことがない分野です。
- 結局、相続手続き全体でいくらかかりますか?
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争いがなく相続税もかからない標準的なケースなら、相続登記と書類手続きを依頼して総額15万〜30万円程度(登録免許税・実費込みの公表事例ベース)が一つの目安です。
相続税申告が加わると税理士報酬(遺産1億円までで税込14.3万〜60.5万円程度)が、紛争になると弁護士費用(着手金+経済的利益に応じた報酬金)が上乗せされます。正確な金額は必ず見積りで確認してください。
まとめ|迷ったら「悩みの仕分け」から始める
名古屋の相続相談は、悩みの種類で相談先を決めるのが出発点です。もめそうなら弁護士、相続税は税理士、登記は司法書士、争いのない書類手続きは行政書士。迷うなら市の無料法律相談や司法書士会の無料窓口で仕分けから始めましょう。
愛知県は課税割合16.2%と全国平均より高く、「うちは関係ない」という思い込みがいちばんの落とし穴です。
期限は放棄3か月・申告10か月・登記3年。義務化前の相続の登記は2027年3月31日が猶予期限です。
事務所選びは初回無料相談を2か所以上で比較し、費用は書面の見積りで総額確認が鉄則です。
最後に、今日からの動き方を3ステップに凝縮します。①財産と相続人のメモを作る(手書きで30分)、②この記事の早見表で相談先の種類を決める、③初回無料の相談を2か所予約する。この3つを済ませれば、相続の不安の大半は「やることリスト」に変わります。
相続は、正しい順番で動けば必ず前に進みます。名古屋には無料の入口が十分に揃っています。この記事が、最初の一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
各事務所の受付時間・料金は変わることがあります。申込前に必ず公式サイトで最新情報を確認してください。
参考にした公的資料・一次情報
本記事の数値・制度の記載は、以下の官公庁・公的機関の一次資料と、各事務所の公式サイト(2026年7月17日時点)に基づいています。
- 国税庁 タックスアンサーNo.4152(相続税の計算・基礎控除)
- 国税庁 タックスアンサーNo.4205(相続税の申告と納税)
- 名古屋国税局「令和6年分 相続税の申告事績の概要」/国税庁「令和6年分 相続税の申告事績の概要」
- 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」/名古屋法務局/名古屋法務局 無料登記相談のご案内
- 裁判所「相続の放棄の申述」/裁判所「遺産分割調停」/名古屋家庭裁判所
- 民法(e-Gov法令検索)
- 法テラス「相続・成年後見に関するよくある相談」
- 名古屋市「法律のこと(無料法律相談)」/名古屋市「葬儀・死亡・相続」
- 愛知県弁護士会 名古屋法律相談センター/愛知県司法書士会 総合相談センター/名古屋税理士会/愛知県行政書士会
- 国民生活センター「デジタル終活」注意喚起(2024年11月)
- 各事務所の公式サイト(所在地・料金・実績は2026年7月17日時点の公式記載を転記)











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